内容説明
繁華街の裏道にひっそりと建つ「カフェ・フロリアン」。古くみすぼらしい外見に反して、内装は豪華絢爛。昼はカフェ、夜はゲイバーとなるこの店のママは、縦ロールの茶色の巻き毛とほうきのように長いマツゲ、ロングドレスを纒ったオネエだが、前世が見えると評判だ。日々、脳みを抱える相談者が前世の記憶を探って解決して欲しいと訪れるが…。前世の因縁と現世の謎を解き明かす、ゴージャスな女装探偵の名推理。
著者等紹介
大村友貴美[オオムラユキミ]
1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒業。2007年、『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆきちん
42
初読みさん。カフェ・フロリアン。昼はカフェで夜はゲイバー。ママは茶髪の縦ロールに真っ赤な口紅、孔雀の扇子を持って、黒地に赤いバラ柄のロングドレスを着た大男ショウ。彼女は自分の前世が見える。他人の前世は見えないが、自称前世が見える人たちが彼女に相談するために今日も店に集まってくる…短編5つ。曖昧な前世話からキッチリ事実を調査して思い出して今これからに活かす…みたいな感じ。殺人とか処刑とか、結構ヘビーな前世話からひっぱってくる。常連の元刑事探偵の〝オヤジ〟や図書館司書の元依頼者とかが協力者。うん良い感じですよ2017/04/06
うまる
31
ゲイバーのママが前世の謎を解き明かす話、5話収録。前世との因縁が人それぞれ色々あって面白かったです。相談に来る人の前世について調べはするけど、前世と現世は別物だから前世がどうであろうと今を楽しく自分らしく生きましょう というスタンスが良いと思います。『ロスト・ヴィレッジ』がサスペンスで一番好みでした。2021/01/30
わった
19
面白かった!前世の記憶がるゲイバーのママがメインとなり、各章の前世の記憶を持つ主人公の悩み事を解決していくという物語。お酒は飲めないけど、こんなママが居るバーでおしゃべりしてみたい!科学的ではない、いわゆるスピリチュアルな部分なので合う合わないはあると思いますが、みなさんには一度読んで頂きたいなと思いました。前世があるという事は生まれ変わりがあるということ。もし本当にあるならば、現在の死もそれほど恐怖を抱くことなく受け入れられますね。むしろ次はどんな人物になるんだろうと楽しみになるかもしれません。2016/04/29
エチゴヤ
10
ジャケ買い(笑)。推理要素が強いのは最初の「キサブロー、帰る」と「ロスト・ヴィレッジ」で、前世がある・見える人がいる、という大前提で推理やらサスペンス要素があるちょっと変わった毛色が面白かった。後半も前世という大前提は変わらないけど人情のウエイトが多めに。「虐げられた男は逆襲する」と「また逢う日まで」は落着部分に電車の中で涙ぐんでしまった。2014/05/27
きょん
8
推理物としては正直ちょっと物足りないが、「ロストヴィレッジ」は証言者の言葉の矛盾から推理してて、現代ものとしては物証がなく証言のみというのが面白いなあと思った。ちょっと不思議なエブリデイマジックものとして楽しかった。そして辛酸なめ子さんの後書きがおかしすぎます。2014/06/11
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