出版社内容情報
拾った猫を飼い始め、会社や同僚に対する感情に変化が訪れた33歳OL。実家で、雑種を買い始めた出戻り女性。爬虫類や虫が大好きな息子をもつ母。――しっぽを持つ生き物との日常を描いた短編小説集。
内容説明
33歳、サエコは拾った猫に名をつけて(「ネコのトラタロウくん」)。転がり込んできた友人が、チワワのモモちゃんに得体の知れないものを食べたせた模様(「チワワのモモちゃん」)。爬虫類や虫好きの息子に、鳥肌と絶叫の日々を送る母(「ヤモリのヤモリさん」)。「頼りにならない父」の烙印を押された、犬好きの男が見つけた安らぎの場とは(「しっぽちゃんが欲しい!」)。生き物のいる日常と“しっぽ”への愛に溢れた短編小説集。
著者等紹介
群ようこ[ムレヨウコ]
1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
99
主人公とそのペットたちの10篇の短編集。ペットを通じて人の何たるかを描こうとした作品ではない。ただ、ひたすらペットの可愛さを前面に押し出した話ばかりだ。今、ペットを飼ってる人よりも、ペットを飼いたいと思っている人たちにより共感される作品のように思う。ペットを飼ってる人は自分ちの子が一番だもんね。◆実はウチにもチワワとポメラニアンのミックス犬がいた。老衰で亡くなって早10年以上。できればもう一度犬を飼いたいと思う私と娘に、アレルギーがあるからと許さない妻の構図は、本作の『しっぽちゃんが欲しい』そのもの。2019/02/12
chimako
61
群さんの書く動物の話が大好きだ。『トラちゃん』以来のファンである。「金魚のよしこちゃんの話」ですっかり虜になってしまった。これはエッセイではなく小説だけれど「ぴーちゃん」はトラちゃんに出てくる「インコのピーコちゃん」「ハムスターのハーちゃんムーちゃん」はモルモットのハム子のみたいで他人とは思えない。群さんの動物本は読んでいる間に自分が飼い主になった気分になってしまうから不思議。どの話も笑えるけど『セキセイインコのピーちゃん』は大爆笑。そう言えば夫も一番優しく話しかけるのは飼い犬のなっちゃんかも(笑)2015/03/13
オカメルナ
55
犬・猫・鳥・ヤモリ・陸ガメ等々、いろいろな「しっぽちゃん」が描かれるハートフルでクスリと笑え(ガハハと笑える場面もあり)、ほっこりしてしまう短編集。ペットを飼っていなくても動物好きだったら心から楽しめる1冊。変に「お涙ちょうだい」的な話はなく、どの話も和やかな良い話ばかりだった。男の子のママだったら一度は経験するのではないかと思う、虫好きの息子との話は特に笑えた。2014/06/24
milk tea
53
動物がいるだけで癒されたり、元気もらえたり、生きる活力になる。お父さんが出てくるお話では、どうも扱いがぞんざいで悲哀さえ感じられる。でもそれだけで終わらないところがまたいい。ほのぼの系。2019/12/24
★YUKA★
51
なんて可愛らしい、あったかい短編集なんでしょう(*´ω`*) 帯にある『もしょもしょっとした感じを味わう幸せ』を味わいました! 優しい気持ちになれます。オススメです★2015/11/17