出版社内容情報
時は江戸。狸の妖・ぽんぽこは、一人前の妖怪になるために、妖怪学校に入学するが……!? 玉子焼き大好きの天然狸娘が、ほっこり帰ってきた! 事情を抱えた市井の人々と、妖かしたちが繰り広げるお江戸人情物語。
内容説明
理由あって口入れ屋の世話になることになった狸と猫の妖怪2匹の初仕事は、長屋に居座っているという妖怪どもを追い出すこと。依頼主のちょっと変わった3人の爺さんは、自らの死に水を取ることを条件に、生活に困った妖怪たちを長屋に招き入れ、長年仲よく暮らしてきたというのだが、今さらなぜ?どうやら大切に育て上げた娘の結婚に関係が!?天然妖怪コンビが、神田の町で人助け。笑いと涙と人情の、お江戸もののけ騒動記。『オサキ江戸へ』の高橋由太、新シリーズ!
著者等紹介
高橋由太[タカハシユタ]
1972年、千葉県生まれ。2010年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉として『もののけ本所深川事件帖オサキ江戸へ』(宝島社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
50
最初の一巻目(#^^#)。狸の妖・ぽんぽこと白額虎。白額虎は猫?どちらにしろ妖ではあるが妖怪にはなれていないらしい。人別帖じゃなく妖怪人別帖に記載されていないとかで妖怪学校に入学するが・・カカシ先生も教えがいが無いかも。小次郎の貯めている家賃を卵焼きとお酒に替えた二匹。許せない!と怒る小次郎ではないが・・。ダメな二匹ではありますがホロリとさせる内容も。「小竹の恋」じんわりと沁みました。現実の社会でもありますよねぇ。女性を食い物にする男、日本で産まれ日本人でありながら戸籍がない子や人が・・。2022/02/21
バニラ風味
16
夕暮れになると、酒をちびりたくなる白額虎。そして、たまご焼きが大好きなぽんぽこ。それぞれ、白猫、十五くらいの娘に化けている妖怪であります。その性ゆえに、つい居候している家の主人のお金を使いこんでしまい、どこかでお金を手にいれようとしますが…。つくも神、貧乏神、幽霊など妖しが沢山登場。頼りないと思っていた人物が、案外活躍したりして、ちょっと爽快になる物語です。2016/03/05
なお
15
もののけシリーズ、江戸編ふたたび。 そうそう、こういう軽くてくだらないけれど、ちょっとホッコリする話が読みたかったのだよ。高橋由太作品はこうでなくちゃ。長くて暗〜い平安編ですっかり忘れていたが、江戸編はイケメンで優しい小次郎がぽんぽこたちと暮らしていたんだった。江戸編最終話で人前で術を使ったために江戸から離れたが、その続きで再び江戸に戻ってきていた。ぽんぽこと白額虎が妖怪学校に通いながら事件を解決していく。正確には2人はあまり役に立っていない。あぁ、面白かった。2024/03/03
ともとも
8
個性的な登場人物がおりなす、江戸を舞台にした物語。 ハラハラ・ドキドキさせられながらも、時に笑いと涙あり、 まるでミステリーや落語、浄瑠璃の世界観を、連想させながらも 幻想的でゆるくもある、そして心温まる物語。 物語、登場人物の描き方、テンポの良さも感じられて、非常に読みやすく、 そして、いろいろな要素も加わって、さらに面白みを増す、 それだけに江戸の人情や情緒、歴史を感じさせながらも、心打たれたり、 考えさせられたりと江戸の妖怪物語ワールドの世界観をすっかり楽しむことが出来ました。 2014/11/22
カゲツナ
7
やっぱりいいですねぇ。ぽんぽこと白額虎のコンビは笑える。また江戸に戻ったんですね。玉子焼き好きのぽんぽこと酒好きの白額虎、なんだか和みますね。2014/06/04