出版社内容情報
本所の蕎麦屋に、正月四日、毎年のように来る客。彼の腕にはある彫りものが……/「正月四日の客」池波正太郎ほか、宮部みゆき、松本清張など人気作家がそろい踏み!冬がテーマの時代小説アンソロジー。
内容説明
本所の蕎麦屋に正月四日、毎年のように来る客。彼の腕にはある彫ものが―。(池波正太郎「正月四日の客」)新川の酒問屋で神棚から出火。火元の注連縄にはこよりに包んだ髪が隠されていた。そこに秘められた母子の悲しい思い出とは―。(宮部みゆき「鬼子母火」)他、松本清張「甲府在番」、南原幹雄「留場の五郎次」、宇江佐真理「出奔」、山本一力「永代橋帰帆」と人気作家がそろい踏み!冬を舞台にした、時代小説アンソロジー。
著者等紹介
縄田一男[ナワタカズオ]
1958年、東京都生まれ。文芸評論家。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。著書に『捕物帳の系譜』(95年大衆文学研究賞)、91年に『傑作・力作徹底案内 時代小説の読みどころ』で中村星湖文学賞受賞。大衆文学研究会、日本近代文学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
117
読み始めると既読だったのがわかる。南原さんは初めてだったが、6人の豪華な作家陣の短編集。どれも良かった。良いのはいつ読んでもいいなぁ。今回『正月四日の客』が心に残ったが次に再読したら又、違うのが残るのかもしれない・・2017/08/17
タイ子
71
暑いので季節外れの本を読んでみました。が、あまり寒さは感じず帯の通り「降り積もる想い」あー、そういうことかと読了後ナットク!これぞ時代小説、とうなづくばかりの名人たち6人によるアンソロジー。ミステリーめいていたり、不思議だったり、実話だったり、いろんな作風で読めるので短編ながら読み応えはありました。池波正太郎の「正月4日の客」はさすが!でした。ベテランの味ってこういうんだとしみじみ感じた作品。2020/08/14
しげ
57
池波さんを始め名だたる時代小説作家さんのアンソロジーを楽しめました。この秋は武家が確立され国政を握る以前、飛鳥奈良、古墳時代の史跡に触れる旅行となりました。尊さを考えた旅行とも感じます。世界的には国王と武力分離体制は稀有だと感じますし島国日本ならではの文化とも思います。確かに一揆や乱は多々起こりますが国内の諍いです。本編でも様々な武家と庶民の関わりが題材となっています。これが日本人らしと言う所なのかなぁ…と感じました。2024/11/28
小梅
56
時代小説アンソロジー。意外にも宮部みゆきさんは初読みでしたが、面白かったです。同じく時代小説アンソロジー「夏しぐれ」も積んであるので、夏になったら読もう。2014/03/27
baba
38
冬に相応しいアンソロジー。池波氏の「正月四日の客」は話しがテンポよく運び、最後に引き付ける所は短編ならではの味わい。松本氏の「甲府在番」は推理作家らしい時代物でドキドキ、ゾクゾク。やはり宮部氏「鬼子母火」と宇江佐氏の「出奔」は寒い冬に情けがあって心が温められるようです。2016/02/19