出版社内容情報
日本橋北内神田の照降町の髪結床猫字屋。そこには仕舞た屋の住人や裏店に住む町人たちが日々集う。江戸の長屋に息づく情を、事件やサスペンスも交え情感豊かにうたいあげる書き下ろし時代文庫新シリーズ!
内容説明
おたみが切り盛りする髪結床の猫字屋は今日も大賑わい。近所の住人たちがそぞろ集まり、おしゃべりや噂話に花を咲かせる。そんな折、居職の箸師・得次郎が刺されたという。なぜか自身番には届け出ないでほしいと懇願する得次郎が今わの際につぶやいた「忘れ扇」とは一体何なのか?姿を消した女房のお阿木、遺された3人の子供…一筋縄ではいかない男女の情や、血は繋がらなくとも通いあう親子の情。涙をしぼる人情時代小説シリーズ、スタート!
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業後、画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
81
髪ゆい猫字屋繁盛記「忘れ扇 」1巻。猫字屋を切り盛りするおたみさんが活躍するのかと思えばさに非ず、猫字屋でおしゃべりす人たちの様々な事柄事件を通して人間模様が描かれている人情物語かな。2014/09/20
はにこ
29
新しいシリーズをと思ってこの本を読んだ。今井先生なのでもちろん面白かったのだが、いまいち登場人物の説明が薄いと思っていたら別シリーズの続きだったとは!!照降町の人々が互いに力をあわせて生きて行く様子に心打たれた。孤児になってしまった子供をできる限りのことをして支えているのがとても良かった。別シリーズを先に読んで戻ってこよう。2021/05/30
ケイプ
11
照降町自身番シリーズを読み終えたので今度はこのシリーズに。照降町の髪結床、猫字屋には今日も近所の住人たちがそぞろ集まり、おしゃべりや噂話に花を咲かせる。猫字屋に集う一人一人のこれからが気になります。前シリーズを読んでいなくても差し支えなさそうだけど、登場人物の背景がわかるしより楽しむには読んでからをおすすめします。2014/11/11
森の猫
10
「蕗味噌を舐めたような顔」って どんな顔でしょう? 江戸の言葉がたくさん出てきます。 今井絵美子さんの持ち味かもしれませんが、少し読みづらかったです。 父を失い孤児となった3人の子供たちを 照降町みんなで助け合いながら 育てていこうという気風が 江戸の町っていいなぁ…と思うところです。2015/08/10
まき
8
照降町自身番書役日誌の猫字屋を舞台にした話なので、前シリーズの続きという感じ。相変わらず人の優しさとおせっかいと噂話が活きている。それにしても男に入れ込んだ女は怖いわ。子供達が幸せになりますように。2021/09/29