出版社内容情報
山田 風太郎[ヤマダ フウタロウ]
著・文・その他
内容説明
生きる者にとって大きな関心事でありながら、“その日”が来るまで絶対的に経験不可能な事柄、「死」。古今東西の歴史に残る著名人たちの死の間隙を集めたノンフィクション、中巻には五十六歳から七十二歳で死んだ人々307名の記録を収録。
目次
ダンテ
明智光秀
三浦按針
柳沢吉保
リンカーン
ニーチェ
小林寿太郎
ドビュッシー
マックス・ウェーバー
萩原朔太郎〔ほか〕
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。2000年、第4回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きょちょ
9
中巻は、56歳から72歳で亡くなった人たちの記録集。よく知らなかった人で特に興味を抱いたのは、終戦後必死に戦犯部下をかばった陸軍中将安達二十三、精神分裂病(作中のまま)の作家ストリンドベリは一度読んでみようと思った、画家ドラクロア、ロシア人に尊敬された幕末の武士川路聖謨、第一次世界大戦のヨーロッパの悲惨さを現地で視察し、その後退役し徹底的に戦争反対を訴えた元軍人水野広徳。徳田秋声の本は読みたいと思った。小林一茶はとんでもない強欲なおっさんなんだ。有名人の中には、死に顔を見せたくない人が結構いるんだ。★★★2015/07/17
ykoro
6
幸せに死ねるのは、ほんの一握りの人だけ。アンデルセン、フォンブラウンのが印象的。多くの有名人も山あり谷有りの人生というのがよく分かる。 病気の死ぬ場合は、皆辛そう。2014/07/20
getsuki
3
角川文庫版購入にともない再読。未収録の人物が編者解説のラストに掲載。2014/01/29
Komatsu Saori
1
他の本をはさみながら、ちょっとずつがんばった! この辺になると、病死が多いね。面白いというか興味深いのは、どんだけ一世を風靡しても、後々世間から忘れられて寂しく死ぬ人が割と多いってこと。盛者必衰…。2023/10/15
タロウ
1
多くの人間の臨終を読むことで自分も死ぬ存在ということが知らされる。中巻は、これと言って目を止めさせられた人はいなかったが、世間から見捨てられ孤独に死んでいく人が多い気がした。アンデルセンのように周囲に称えられながら死ぬ人はむしろ例外か。幕末の官吏、川路聖謨は交渉相手のロシア人を唸らせるほど聡明であったが晩年は閑職に追いやられ、官軍の江戸に迫る足音を聞きながらピストル自殺。壮絶であるが、この悲しい有り様が人生なのか。八世松本幸四郎も最後やせ細った体にタオルを巻いて舞台に出た気力の持ち主。この辺り見習いたい。2022/07/28