出版社内容情報
昼行灯と呼ばれた男が立ち上がる!
主君の仇を取るために上京した、四十七人の赤穂浪士たち。吉良邸討ち入り前日、彼らの熱い想いが詳細に描かれる! 綿密に計画された復讐は成功なるか!? 忠臣蔵、完結編。
内容説明
元禄15年12月14日、時は来たれり。浅野内匠頭の敵を取るために、大石内蔵助を始めとする四十七人の赤穂浪士達が、吉良邸に討ち入ったのだ。何ヶ月にも及んだ慣れない江戸での生活を乗り越え、綿密な計画を立てた上での行動だった。邸内で必死に吉良上野介の姿を探す赤穂浪士達。逃げ回る上野介を見付けた彼らは、ついに怒りの鉄槌を下す。―今なお語り継がれる、熱き思いを胸に戦う男達を描いた、国民的ロマンの決定版。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
本名、吉川英次(ひでつぐ)。明治25(1892)年、神奈川県に生まれる。父親の事業の失敗で、小学校卒業目前で中退。幾つもの職業を転々とする。明治43(1910)年、勤めていた横浜ドックでの事故で九死に一生を得たのを機に上京し、蒔絵師の徒弟となる。また井上剣花坊門下の一員となり、“雉子郎”の号で川柳家としても名を成す。大正10(1921)年、東京毎夕新聞社に入社。翌年、社命により「親鸞記」を連載開始。第二次世界大戦の影響で一時執筆活動を休止。昭和35(1960)年、文化勲章受章。昭和37(1962)年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どらんかー
3
義士の討ち入りはこの時代の人間としての提示でもあった。この生き様を忘れたくはない。2017/02/12
keisuke
2
結末は分かっていても、死んで欲しくないと感情移入してしまった。人間の美しき生き様が見られた気がする。それは、赤穂浪士だけではなく、伝右衛門にも言えると思う。2015/01/29
km.
1
スピード感が無くダラダラしがちだが、忠誠、理不尽、仇討ち、自害と安定感のある面白味を経由するストーリーはなかなか。 前巻は、それぞれ立場の違う者達の討ち入りまでの思惑も読みどころの一つだし、後巻は、荒んだ時代背景を風刺する奥深さも秘めている。 でも、何かが足りないなぁ… これからも読み継がれて行くには工夫が必要な気がする。 一層のこと、犬公方将軍様を主人公にしたスピンオフなどあっても良いかもしれない。2022/07/15
猫背
1
生類憐みの令が天下の悪法と言われるのは、人が「畜生以下」の扱いになったからなのか。僧達が吉良家に吉良の首を返しに行ったシーンが好き。義士は赤穂浪士のみに非ずっていうの、まさにそうだと思う。2015/01/22
フレデリック
0
忠臣蔵自体は名前を知っている程度で内容をほぼ知らず、また全体的に耳慣れない言葉が多くて意味を理解するのに苦労しましたが、赤穂浪士達の熱い気持ちに胸を打たれました。それと、江戸時代の武士達にも一人一人の武士道があって、その武士道を貫く事が是か非かという悩みもあったんだろうなと、考えてみれば当たり前の事なのに今さら気付かされました。そして生類憐れみの令が施行されていたという背景も大きな要因として組み込まれています。天下太平の世と言われる江戸時代ですが、武士道は死んでいなかった。2021/11/25