出版社内容情報
地下144階建てのサイロ。カフェテリアのスクリーンに映る、荒涼とした外の世界。出られるのは、レンズを磨く「清掃」の時のみ。だが、「清掃」に出た者は、生きて戻ってくることはなかった。
内容説明
世界が終末を迎え、人類は地下144階建てのサイロで、限りある資源を再利用しながら暮らしていた。カフェテリアのスクリーンに映る、荒涼とした外の世界。出られるのは、レンズを磨く「清掃」の時のみ。だが「清掃」に出された者が、生きて戻ることはなかった。機械工のジュリエットが、外の世界に足を踏み出すまでは―。世界を熱狂させたネット発の超大作、崩壊後の世界を生き抜く闘いをヴィヴィッドに描く!
著者等紹介
ハウイー,ヒュー[ハウイー,ヒュー] [Howey,Hugh C.]
1975年、アメリカ・ノースカロライナ生まれ。ヨットの船長を8年務めたあと、結婚を機に陸に上がり、小説の執筆を本格的に開始。“Molly Fyde”シリーズで好評を博したのち、2011年、中編として『ウール』第一部をアマゾン・キンドルで発表すると、爆発的なヒットとなり、読者に促される形で読編を執筆。全五部をオムニバスにした『ウール』はアメリカとイギリスで大手出版社が出版権を、大手映画会社が映画化権を獲得。世界28カ国で発売が予定されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白のヒメ
57
近未来。苛性の外気が荒れ狂うのを逃れて、人々は地下144階の「サイロ」の中で暮らしていた。その狭い世界での極刑は「清掃」。死を覚悟で外へ出て、辺りの景色を映すレンズをウールの布でこするというもの。その極刑を下されて生き延びた者はいなかったはずなのに・・・。「見える」事と「知っている」事は違う。そんな事を改めて思う。何が真実なのか、自分の実体験を通してでなければ、どんな物が目前に見えようとも真実だと信じる方がおかしいのだ。「己を信じよ」この小説から非常に強く伝わってくるメッセージ。夢中になって下巻へ。2015/12/04
どんぐり
36
有毒ガスに覆われた地表、人類は48階ずつ三層に分かれた144階の地下サイロに住むようになった。地表に出ることができるのは外界のレンズを磨く「清掃」の刑を科された罪人か、空しい人生にしがみつくよりは、人生を手放したほうがいいと考える者だけである。これまで「清掃」に出た者が生きて戻ることはなかった。サイロの保安官ホルストンとその妻のアリソンも「清掃」に出たままだった。保安官の後任に選ばれた機械工のジュリエットは、自らの意志で清掃に出たホルストンの秘密を探っているときに陰謀にはめられ、「清掃」の刑で外2014/04/21
RIN
34
有毒ガスに覆われた地上を逃れ地下144階のサイロに住む人々・・・。物語は突然普通に始まり読み始めは???だったのに、中盤辺りからそんな前提条件はどうでもよくなるくらいスピードアップで上巻読了。設定の経緯も謎だらけなのに物語世界にどっぷり嵌れる上質のエンタテイメント。本作は3部作の第1部らしいが既に上巻にしてシリーズ制覇が楽しみ。キンドル発でベストセラーになったこととかやっぱり世界的ベストセラーになる各国語翻訳は紙出版社が握ってるのかとか、この本が辿った経緯も興味深い。2015/05/09
MATHILDA&LEON
31
完全なる謎から始まる本作。読み終えた今、色んな意味で動悸が止まらない。これほど面白い作品を今まで知らなかったなんて!と今、強く感じており、また、猛烈に嬉しく思う。外へ出ることが最大の禁忌とされ、それを言葉にすることさえ出来ない、精神的にも物理的にも閉鎖された世界を生きる人々の中で、たった1人の女性によって全てが変わり始める。好奇心や冒険心はいつの時でも革命への一歩となる。“当たり前の日常”が、実は作られたものだとしたら、誰かに操作されたものだとしたら。。。私も彼女のように行動できるだろうか。2015/07/27
tom
30
読友さんに教えてもらう。地下144階建てのサイロで暮らす人たちの世界。人口がどのくらいのものかは分からないけれど、閉鎖された空間の中で、皆さん、それなりの生活を維持して暮らしている。外に出るのは、タブーを犯して追放されるときだけ。でもそれは死刑と同じこと。この世界から意味不明の理由で追い出されることになったのが優秀な機械工のジュリエット。物語はここから始まる。陰謀やらがいろいろありそうだけど、どこに物語が向かうのか、何も見えない。でも、面白いことが始まりそう。教えてくれた読友さんに感謝。2022/06/05