出版社内容情報
夢やぶれて実家に戻ったレイコさんを待っていたのは、いつの間にかカラオケボックスの店長になっていた弟のタカツグで……。家族やふるさとの心の絆に、しぼんだ心が息を吹き返していく様子を描く感動長編!
内容説明
東大を目指して上京するも、3浪の末、夢破れて帰郷したレイコさん。傷心の彼女を迎えるのは、個性豊かな森原家の面々と、弟のタカツグが店長をつとめるカラオケボックス『ウッド・フィールズ』だった。このまま田舎のしがらみに搦めとられて言い訳ばかりの人生を過ごすのか―レイコさんのヘコんだ心を、ふるさとの四季はどんなふうに迎え、包み込んでくれるのか…。文庫オリジナル感動長編!
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。話題作を次々に刊行する傍ら、ルポルタージュやインタビュー、週刊誌記事のリライトなども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
204
2018年216冊め。受験に失敗し故郷へ帰ることになった浪人生が過疎の町で暮らす人々の生活に触れながら自分の行く先を模索する。重松作品故に「いかにも」な人情話なのだが、こいのぼりの話とエラジンさんの話は切なくて良かった。一見軽薄そうなイネちゃんはこの町で活躍していくのかと思いきやの展開、主人公姉弟の進路がはっきりと描かれないのが気になる。2018/06/26
佐々陽太朗(K.Tsubota)
184
こころ優しゅう生きることとエラジン(偉人)さんになるゆうんは違うんかのう。こころ優しゅう生きとる人はなんで哀しゅう見えるんかのう。みんながおたがいのことを気にかけて生きるゆうことは煩わしいことなんやろか。それを煩わしいと感じるのは強いもんなんか? エラジンさんはほんまに強いんか? 寂しゅうなること、哀しゅうなることはないんか? 服部のおじいさん、おばあさん、がんばってな。サブちゃん、痛いんか? みんな応援しとるで。2014/09/06
相田うえお
172
★★★☆☆ 東大目指して頑張ったが3浪してしまい、東京から帰郷した主人公。実家に戻ってみると弟は母親とばーさんに乗せられカラオケ店を開いていた...と始まる話です。田舎のほんわかさを感じ、日頃の慌ただしさを忘れてしまうようなのんびり具合が最高です。まあまあ楽しめました。ほんの少しだけですが挿絵かありました。これが想像したイメージとぴったりで「あぁ〜この絵いいなー」と、しばらく眺めてしまうんです。電車の中で挿絵有りの作品は、ちょっと恥ずかしいような気もしますが、たまにはいいですね〜。2016/08/28
Tanaka
168
重松作品は人物を対比させて書いてるのが多い気がする。それが面白いのだけれども。2014/01/11
ウッディ
144
地元で神童と呼ばれ、東大を目指して上京するも、3浪の末、夢破れて帰郷することになったレイコさん。そんな彼女を待っていたのは、温かくもおせっかいな故郷と、弟のタカツグをカラオケボックスの店長にして、地元に縛り付けようと画策する3世代同居の森原家の面々だった。何をしたいのかわからないまま、自分のプライドのために東大受験を続ける主人公には共感できず、田舎の良さも伝わってこなかった。田舎から都会に出て暮らす人でなければ、重松さんがこの物語で表現しようとしたノスタルジーは、理解できないのかな?いまいちでした。2018/01/24