出版社内容情報
妖怪総大将の父に恥じぬ立派なお化けになるため、豆腐小僧は達磨先生と武者修行の旅に出る。芝右衛門狸による〈妖怪総狸化計画〉。信玄の隠し金を狙う人間の悪党たち。騒動に巻き込まれた小僧の運命は!?
内容説明
妖怪総大将であった父に恥じぬ立派なお化けになるため、達磨先生と修行の旅に出た豆腐小僧。甲州の裏街道を行く人間2人組を理由もなく追いかけるが、道中は思いもよらぬ珍騒動ばかり。突如現れた金の鴉に巨大な蟹、凶悪な邪魅。芝居者狸らによる“妖怪総理化計画”。信玄の隠し金を狙う人間たちの悪だくみ…。ゴタゴタに巻き込まれた豆腐小僧に、驚くべき災難が降りかかる。果たして小僧の運命や如何に!?シリーズ第2弾。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
小説家、意匠家。1963年北海道生まれ。94年、『姑獲鳥の夏』で小説家デビュー。『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、『後巷説百物語』で第130回直木賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
かなり間が空いての2作目。これでもちゃんと続編として成立しているのが凄いなと思います。遅々として話は進まないのですが、ドタバタ喜劇という感じです。薀蓄や屁理屈を並べ立て、途中はグダグダになるのが味ですね。豆腐小僧のおバカだけれど可愛いところは相変わらずで、達磨先生とのやりとりが笑えます。物語的には主人公が消えてしまったり、違う妖怪呼ばわりされたりと支離滅裂なのですが、「概念」が主人公だと考えると納得がいきます。最後の方はコントみたいで、こうオチをつけるのかと。まだ続くようですが、次作は何時出るのでしょう。2016/12/31
かわうそ
31
前作に引き続き妖怪蘊蓄がふんだんに盛り込まれている上に、爆笑の脱力ギャグが次から次に繰り出されてお話が進まないのなんの。でもすごく面白かったです。工夫を凝らした汚らしい比喩で罵倒されまくる猪狩虎五郎氏の顔面は一体どんなことになってるんでしょうか。2014/04/20
つたもみじ
29
ちと冗長に過ぎるかなぁという感じですが、相変わらず流れるような文章のリズムが良くて読み易い。珍道中を始めた豆腐小僧を主人公にして、滑稽達磨や三毛姐さん、カンチキや八咫烏や白山正法坊に、前作で出てきた妖怪もこぞって登場。ますます賑やかしいです。そして妖怪といういないモノに対する、人ありきの説明や概念から、意思を持ち自我を持つ妖怪、消えない妖怪へと…未来が過去を改変する。なんかメタっぽい。ラストが怒涛すぎて、その場面こそもう少し楽しみたかった感じもしますが、個人的に七百二番狸&田村が好きだったので…良し!2013/08/26
END
24
ちゃんと続編なんだ!蘊蓄というか屁理屈というかで、遅々として進まない。途中グタグター!ラストはドタバタ!雰囲気的には吉本新喜劇みたいな感じだった。語り口調が絶妙だったのが一番のポイント。物語として語るってのは、ある意味メタネタだけど、概念が主人公だからそれもしょうがないんだろうね。思ったよりも豆腐小僧の出番が少なかった気がするのがちょっと残念。でも、クスクス笑っちゃうんだよね。ちなみにこの本が芦ノ湖の海賊船に忘れてきた本です!!2015/11/23
黒猫
20
前作に比べても面白い作品で楽しく癒された~。お馴染みの豆腐小僧、達磨先生、三毛姐さんに加えて、カンチキや八咫烏にその他妖怪がわんさか登場。京極先生、作為的に物語をこんがらがせて、糸をほどくように物語を展開していく。前半は三毛姐さんがたくさん出てきて面白いし、豆腐小僧もカンチキと友達になったり、信玄の埋蔵金、倒幕の陰謀に巻き込まれてなんと!的な展開になりますが、笑えます。「豆腐小僧にござりまするぅ」の声をまた聞きたい!京極先生が新たな物語を作ってくれるのを信じて、その時まで待ってるね。豆腐小僧!2017/08/22