出版社内容情報
平凡な主婦が恋に落ちたのは、些細なことがきっかけだった。平凡な男が恋したのは、幸福そうな主婦の姿だった。妻と夫、それぞれの恋、その中で家庭の事情が浮き彫りにされ??。結婚の意味を問う長編小説!
内容説明
家を建て直そうか。新しい書斎、広い台所。そうすれば家族はもっと幸福になるに違いない。学校教師の茄子田太郎は、住宅展示場で営業マン・秀明と出会う。一方、秀明の妻・真弓ががむしゃらに手に入れた家庭は、天国ではなかった。子供は好きだけど、もし自分が夫と同じくらい稼げたら?“たまには憂さ晴らしをする権利”だってほしい。そうだ、働こう。二組の家族の、運命の歯車が動き出す!家族の幸福を問う、極上小説。
著者等紹介
山本文緒[ヤマモトフミオ]
1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て、人間関係の繊細なずれから生じる喪失、慈しみをテーマに作家活動を続け、現在に至る。『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞を、『プラナリア』で第124回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
95
表紙から切ない恋愛物を連想したら、まっったく違った。自分勝手な奴ばかりの2組夫婦のドロドロ劇。読み進める内に、最初の印章がどんどん変化していき万華鏡のよう。性による役割分担が強固で、女性は仕事しないのが当たり前という世界観。50年前の設定かと思いきや、1994年か。20数年でこんなに世の中って変わったのか。登場人物全員に共感できず、最初から最後まで嫌な気分が続いた。うーん、読み方間違えたのかな。駄目だった。2021/11/18
machi☺︎︎゛
90
家を建て直そうと考えてる茄子田家。住宅展示場で営業をしている秀明。それぞれの家族が色々な形で関係していく。お互いに抱える家族の問題が絡んできて後半にかけての登場人物たちの暴走が面白かった。家族を持つ家庭が誰でも経験しそうな問題も出てきて共感もしながら面白く読んだ。2025/01/31
優希
80
再読です。がむしゃらに手に入れた普通の家庭は幸せな天国へと結びつかなかったのが切ないです。これは今の社会にも通じるものがあるように思いました。ただ主婦をやっているだけでは手に入れられないものも沢山あるのだろうと想像してやみません。家庭の中の形が変わっても家族でなければならない想いもあるのが痛みとして刺さりました。家族の幸せとは何かをつきつける問題作と言えますね。2018/04/27
佳蓮★道央民
68
★★★★★★★七つ星👏またまた山本文緒さんの本読みました!!やっぱり、山本文緒さんの本好きだなぁ♬これも結婚とは?子供を育てることとは?家族とは?家とは?と言う事を考えさせられた作品でした。確かに浮気したり、その不倫相手と寝たりすることっていけないことだとは思う。けど、寝たりしても、やっぱり家族を大切にすることが一番大切なことだと思いました。私も、もし結婚したりしたら、別に違う人と寝ても良いと思う。肝心な事を忘れなければ結局は年とったら、家族になるんだから。そう読んでて思いました。オススメです!!2021/04/22
優希
68
今の社会を反映した現実的な作品だと思いました。女性の社会進出が進むことで家族のあり方や幸せの形は変わってくるんでしょうね。真弓が手に入れた秀明との家庭は天国ではなかったというのが切ないです。秀明の不倫が破格することでも家庭は壊れず、むしろ真弓が外に出たいと思うようになるのが不思議な感じでした。家庭の役割が少し変わっても続くのは愛情などの形が違っても維持しようとする想いがあるからでしょう。茄子田の家庭も含め、2組の家族がどうなるのか気になります。家族の幸せとは何なのか考えさせられました。2014/10/30
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