出版社内容情報
宅急便やさんも2年目を迎え、コリコの街にもすっかりなじんだキキとジジ。でも大問題が持ち上がり、キキは魔女をやめようかと悩みます。人の願い、優しさ……キキは、再び新たな旅立ちを迎えます。
内容説明
宅急便屋も二年目となり、キキの仕事は順調です。奇妙な病気にかかったカバ、木の歌声、なんと散歩という目に見えないものまで運び、町の人にも温かく迎えられます。そんなとき、一通の黒い手紙を届けるように頼まれ、もしかしたら運んでいるのは優しい気持ちだけではないかもしれないと悩むキキ。魔女としての自覚や自信喪失を経て、人の気持ちを思いやり、人生の大切なものに気づいていく、少女の成長を描きます。
著者等紹介
角野栄子[カドノエイコ]
東京生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。以来、第一線で活躍する。1982年『大どろぼうブラブラ氏』で産経児童出版文化賞大賞、84年『わたしのママはしずかさん』で路傍の石文学賞、『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞、『おはいんなさいえりまきに』で産経児童出版文化賞、85年『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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ykmmr (^_^)
142
キキのコリコの街での生活も、2年目。街にも慣れて、街の人の温かさにも助けられて仕事をこなすが、時に荷物をちゃんと届けられなかったり、自分の『良心』と『実際』の気持ちの扱い方に悩む。でも、その時はお客さんに状況を伝えたり、気持ちを整理して魔力を回復したりし、乗り越えて自信をつけていく。そして、「自分ができること。」の分別をつけて成長するのであった。でも、『伝統』・『技術』の継承は本当に難しい。特に、職人系の仕事は…。『魔法』(魔女)もそうかもね。2022/09/04
のっち♬
114
「どんなにいい心で物を運んでも、それが悪いことに変わってしまうことがおこるかもしれない」と、自信をなくしてしまうキキ。それは「あたしの仕事っていったいなんなんだろう」、ただの女の子のほうがよかったのか?どうしたら元のように、魔女でよかったと思えるのか?という悩みへ発展する。不安から抜け出すための一大決心、新たな魔法。「つくるのがすき、この気持ちが、たいせつなの」、自分の心の中もまわりの風景もじっと見て、いきいきと充実した毎日を送ろう。人生の計算ができてきて、行方不明の自分の中心点も見つかるかもしれない。2020/02/19
ちはや@灯れ松明の火
111
魔女の宅急便、二年目を迎えました。空色のカバンから逃げ出したハト、しわしわになった白いシャツ、いつもうまくいくわけじゃない。森の窓が奏でるしらべ、赤い靴がおぼえている涙、目に見えるものだけがすべてじゃない。黒い手紙に気持ちもしずむ、コスモスのドレスを着ても消せないさびしさ、心だけがどこかにはぐれて見失いそうになる。それでも、人から人へ贈られるやさしさが、おすそわけされるよろこびが、冷えた心をあたたかくする。また新しい春が来て、はじめての種が芽吹く。日と月を浴びたくすりぐさが、しあわせの魔法を運んでくる。 2014/08/11
優希
81
何とか順調に宅急便の仕事をこなしているようです。運ぶものが目に見えないものまで運び、あたたかく迎えられているのにほっこりしました。。ただ、優しさだけを運んでいると悩んだことで、大切なことに気づいていったのでしょうね。2019/03/20
KAN
75
キキが悩みながら、宅急便を通じて街の人達とふれあいながら成長していく姿が、とってもほほえましい。心が洗われます。2016/01/26