出版社内容情報
学校の不良と母親が付き合い出し家に入り浸るようになったため生きる希望を失った高校生の正矢。記憶を失い独房に監禁されたうえに拷問を繰り返される謎の兵士。二人の意識がリンクした時、凄絶な運命の幕が開く!
内容説明
高校2年生の正矢は絶望しきっていた。先輩で不良の崎山が23歳も年の離れた自分の母親と付き合い始めたのだ。ついに正矢は学校も退学してしまう。一方、独房に監禁された男が目を覚ました。どうやら大東亜戦争中の東南アジアで「大罪」を犯したらしい。そこへ謎の男が現れ拷問が始まる…。やがて正矢と男は互いの夢に現れるようになるが2人の過去には恐るべき謎が隠されていた!飴村節全開の驚愕エンタテインメント。
著者等紹介
飴村行[アメムラコウ]
1969年福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞しデビュー。第2作『粘膜蜥蝪』が「このミステリーがすごい!」で6位、「週刊文春ミステリーベスト10」で7位、「最高の本!2010」国内ミステリー編で2位など、年末ミステリーランキングに続々ランクインする。10年同作で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
174
グロさはそうでもないけど、あいかわらずエグい。とにかくエグい。だけど……畜生!面白かったじゃないか、この野郎!だからといって、自分から読む気はないからな!それにしても飴村作品は構成と設定が凄いんだよなあ。グロさとエグさがなければ、なおいいんだが…。誰もがあると思われる人間の奥底に潜んだ狡猾さを垣間見た気がしました。そろそろ新境地として、温かくなる話を書いてよね、飴村さん!またエグいの書くのなら、読まないぞ!読まないからな!絶対に読まないからな!2019/05/12
gonta19
113
2013/4/16 Amazonより届く。 2023/6/19〜6/23 5年ぶりの飴村作品。粘膜シリーズほどのエグさは無いが、特徴的なエロ・グロ・ナンセンスシーンは健在。解説が先日亡くなられた北上次郎さん。北上さんが飴村作品のファンであったとは・・・ちょっとびっくり。2023/06/23
H!deking
76
粘膜シリーズ以外は初めての飴村さん。拷問シーンとか相変わらずえげつないですが、粘膜シリーズに比べるとどうしてもパンチが弱く感じてしまう。面白かったんだけどなんか物足りない。2022/08/16
Akira
48
★★★★【探偵で消えかけた飴村炎が再び燃え上がる!】憲兵に拷問される旧日本兵と同じ高校の先輩とお袋が付き合いだして複雑な気持ちの正矢の話が交互に展開されていく。この時間軸の異なる物語がどう繋がっていくんだろうと思いつつも、前半はわりと普通(飴村作品では拷問なんて普通です)だなぁと、思いきや…そう来たか!伏線も確かにいっぱいあったけど、やっぱり飴村さんは想像の斜め上を行く。粘膜探偵でがっかりした方も、粘膜シリーズにはまだ手が出ない方も、そして、読み終わった後に心に傷跡が欲しい方!おススメです。もっと描いて!2018/11/09
きっしぃ
43
粘膜シリーズ読了で、がっかりしている皆さん!まだこちらもありますよ!帯の"遥かに越える!"は言い過ぎだけど、同等に楽しめる一冊。高校の先輩と自分の母親が付き合い始めた正矢と、戦時中に監禁拷問される男。交互に描かれる時間軸の違う二人の物語は、驚きの収束を迎える。全く救いがないのに、全く重さを感じない(笑)ある意味清々しくもある(笑)これぞ飴村節!?もっと書いて!2018/12/12