出版社内容情報
人食いカラスの群れが人間を襲う! 傑作パニック・ホラー!
人間を襲うよう調教されたカラスの群れ。気鋭の動物行動学者・美紀と刑事・松岡はそれを食い止めようとするが、群れはやがて大学キャンパスを襲いはじめる! 人食いカラスの襲撃に、人間のなす術はあるのか。
内容説明
気鋭の動物行動学者でカラスを専門とする美紀のもとを、捜査一課の刑事・松岡が訪れる。住宅内で夫婦が白骨死体で発見された事件で、生き残った娘が「カラスに喰い殺された」と証言したらしい。あり得ないと否定する美紀だが、ある復讐心にかられた青年がカラスを調教していたことが判明。人肉食を覚えたカラスの大群は、やがて無差別に人間を襲い始めた―。翼ある悪魔の襲撃に人間のなす術はあるのか。傑作パニックホラー。
著者等紹介
白土勉[シラドツトム]
1968年生まれ。東京都出身。シナリオ作家協会会員。2000年に脚本家デビュー。映画を中心に約40タイトル80本を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
83
自らの遺恨をはらすためカラスに人を襲うように調教した青年馬場。カラスは見事その役を果たし夫婦を殺す。しかしその馬場もカラスに襲われる。カラスの群は人を喰うことを覚え無差別に人を襲う。その学習能力の高さから次々と想像以上の行動をとるようになる、というパニックホラー。カラス専門の学者美希、刑事の松岡と共に、片目の大鴉シッコクの視点で描かれている。このシッコクが人間以上でいい。後半のカラスの大群と人間の攻防は凄まじい。ただ主人公の美希は好きになれずイライラ。でもグロい「熊もの」好きにはカラスも面白いよ。2020/01/10
Bugsy Malone
77
傑作映画「ウイラード」「ベン」と「ヒッチコックの鳥」を合わせた様なカラスパニック小説。アルビノカラスが出てくるあたりはやはり「ウイラード」を意識してなのかな。不穏な導入から被害の拡大、カラスと人間の死闘に思い切った終焉。そっち行っちゃダメ的なハラハライライラ感も盛り込まれ一気に読んでしまいました。被害の拡大の所在についてはモヤモヤした気持ちが残りましたが、小説ならではのカラス視点の描写も良く、生物パニック物として良く出来ていたと思います。2019/06/25
おかだ
66
カラスが人肉の味を覚えちゃったよ~!のパニックホラー。カラスサイドが格好良いよね。伴侶を大事にして仲間を飢えさせないよう群れを率いる圧倒的リーダー・漆黒、バリカッコええ…。伴侶のアルビノ・シロも美しいやろうなぁ…となんだかカラスに惹かれる、むしろカラス寄りの目線で読んでまう。と言いますのも、人間サイドの主人公が引っ叩きたいくらい嫌。子供の事を考えてる風だけど、子供の気持ち一切無視して自分勝手、結末の行動も究極の自分勝手、出会った刑事と即恋に落ち「あの子達にも父親が必要…」とか虫唾が走った。カラス頑張れ。2019/01/16
ジンベエ親分
37
B級パニックホラー。まあ後半のカラスの大群と人間の攻防戦は迫力があって悪くない。もちろん実際のカラスの生物学的な特徴や習性をベースに「大ボラ」を吹いているのだけど、その部分は大風呂敷を広げないと話が成立しないので良い。なんだかなーと思うのは人間側の描写で、ここにリアリティと共感をまったく感じることができないため、話に入れない。どんな荒唐無稽な話でも、否荒唐無稽な話こそ、どこかにリアリティの柱を1本通しておかないと、読者を話に引きずり込むことはできないよね。その辺を大幅に改変すれば映像化で映えそうな小説。2017/08/29
キャプテン
33
★★★☆☆「ひとりでかってに<14のヒント>フェア」第10ヒント。もうひとつ並行してやってるフェアの方が読んでる数多くなってきた…か…?◆◆カラスといえば、なんか夕方ってイメージ。でも夕方をイメージしてもカラスってならない。夜をイメージするとなんかカラスっぽい不思議。何言ってんだ俺は。あの身近な黒い鳥が、殺人鳥に変貌して人々を襲いはじめる動物パニック。よくあるヒロイックな登場人物、展開ならばそのまま押し切って欲しかった気がする。そうしないなら中途半端なフリをかますのはやめてほしい。願いも啄ばまれたかんじ。2019/09/13