出版社内容情報
高杉良氏・幸田真音氏推薦、城山三郎賞作家の国際派経済小説!
日本産業銀行上海支店の江草は「日中が協力すれば世界最強」を持論に、日本最大のフィルムメーカー、浅間フイルムの中国進出を担当する。デジタルカメラが世界を席巻する前夜、巨大市場に闘いの幕が開く!
内容説明
「日中が協力すれば世界最強」の信念のもと、日系企業の中国展開を支援する日本産業銀行上海支店の江草。今度の案件は、日本最大のフイルムメーカー・浅間フイルムだ。生き残りをかけ、中国資本との提携を模索する江草たち浅間フイルムと、投資銀行モルゲンゴールデマンを使って妨害に動く米国系ウエスティンフイルム。巨大市場を制するのはどちらか。反日デモ、商慣習、汚職、仕掛けられた罠…。いま最も熱い国際派経済小説。
著者等紹介
深井律夫[フカイリツオ]
1966年兵庫県生まれ。大阪外国語大学中国語学科卒業。復旦大学(上海)に留学。2010年、『巨大市場』(原題『連戦連敗』)でデビュー。また同年、それまで2度にわたり最終選考に残りながらも受賞を逃していた城山三郎経済小説大賞(第3回)を、『黄土の疾風』で受賞、選考委員の絶賛を浴びた。中国ビジネスに詳しく、新たな国際派経済小説の書き手として注目を集める。邦銀勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつうら
35
上海と北京を舞台に謀略戦が繰り広げられる国際サスペンス。買収交渉の裏の裏に誰かがいて、こっそり糸を引いているのだが、それが誰なのかわからない。なので中国版「ハゲタカ」という雰囲気だが、著者に失礼だろうか? 作中で中国の故事がたびたび引用され、登場人物たちが、劉邦や趙高、曽国藩などになぞらえるところも興味深い。また十八史略でも読んでみようかという気にさせられた。それと、最後に気がついたが、主人公江草は著者自身だ。経済小説を宣伝しつつ、つぎは人民元をテーマにチャレンジすると予告までしているのが、とても心憎い!2022/08/26
yukalalami
7
中国を舞台にした経済小説ですが熱くて面白かったです。「日中が協力すれば世界最強」と信じて疑わない銀行家の江草。彼の案件に次々降りかかる考えられないような妨害と罠。歴史的背景、国民性の違いを情熱と行動力と緻密な作戦で向かい合っていく。最後まで一気に読ませてくれます。2013/05/24
敬介
5
今、中国に一番詳しい銀行員かつ小説家は彼しかいませんね。実務経験といろいろな知識が土台にないと、こんなにおもしろくてためになるエンタテイメントは書けませんね。一気に読みました。2013/02/14
紫の煙
4
登場人物の名前に見覚えがあると思ったら、覇権通貨の前の作品だった。中国ビジネスを知らないので、これが実態だとするなら、日本企業が苦労しているという報道には頷ける。本作が書かれた時より、更に巨大市場の状況は大きく変化していると思われ、経済小説は新鮮さが一番だと思う。2015/08/09
K2
4
中国ビジネスの厳しさと複雑さを描いた秀作。 中国の歴史、文学、経済、政治、民俗等を知り尽くした作者ならではのハイレベルな作品。2013/01/13
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