角川文庫<br> フリン

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角川文庫
フリン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041006436
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

夫の裏切りに、私は裏切りで仕返しする。

父親の不貞、旦那の浮気、魔が差した主婦……リバーサイドマンションに住む家族のあいだで繰り広げられる情事。愛憎、恐怖、哀しみ……注目の実力派が様々なフリンのカタチを描く、連作短編集。

内容説明

高校生の真奈美は、カレと入ったラブホテルで、自分の父親が同じマンションに住むOLの葵さんと一緒に歩いているのを目撃してしまう(「葵さんの初恋」)。元カレと逢瀬を繰り返す主婦、人生最後の恋に落ちた会社員、壮絶な過去を持つ管理人の老夫婦…。ある川辺に建つマンションを舞台に繰り広げられる反道徳の恋。愛憎、恐怖、哀しみ…様々なフリンの形を通じて、人と人の温かさ、夫婦や家族の関係性を描ききった連作短編集。

著者等紹介

椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、第23回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

485
わたし自身の「肌と心にしっくりくる」感からいうと、今年度ベストかもしれない。椰月さんの作品は2作目だと思うけど、こんな文章を書かれる作家さんだったんだ。文字通り「フリン」モチーフで、「リバーサイドマンション」というちょっと陳腐な名前のマンションの住民たちの、連作短編集。主人公たちも10-50代と多岐にわたる。読み終わって「あぁぁ、そうきたか」と脱力することもしばしば。追いかけよう、この作家さん。2018/12/03

おしゃべりメガネ

215
あつかっているテーマがテーマなだけに、雰囲気重めの作品かなと構えて読み始めたら、意外とそんな感じはなく、さらさらと読むコトができました。ひとつのマンションに住む様々な住民たちが繰り広げる「フリン」にかかわるお話です。どうしても「フリン」というコトに対し、否定的な目線が多くなりがちですが、今作はその「フリン」をとおして描かれる人とのつながり、家族との絆、人生の新たなる旅立ちとあらゆる視点で物語が展開していくので、そんなにイヤなキモチで読み進めることはないと思われます。人っていろんな事情を抱えているんですね。2013/04/20

やっさん

180
★★★☆ 女流作家の恋愛小説は、痛快なほどリアル。男性には表現不可能であろう表現が頻発する。この本を読んだら〝不倫〟が悪いことなのか、あるいはそうではないのか、見失ってしまいそうだ。2017/11/29

utinopoti27

142
ちょっとした火遊びのつもりだったのに、いつしか抜き差しならない関係に。ついには包丁握って、奥さんと私のどっちを選ぶの・・なんてお話ではありません。『不倫』じゃなくて『フリン』。同じマンションの住人にまつわる6編のフリン話は、ほとんどがまるで日常生活の一コマのようなノリで展開します。とはいえ、そこは腐ってもフリン。嫌悪、愛憎、妄想、後悔と様々なリアクションが交錯し、人間のどうしようもなさが浮き彫りに。あっさりした中にも一瞬覗く怖さの余韻が後を引く「シニガミ」が面白い。やっぱ『不倫は文化』だったりして(笑)2019/02/07

じいじ

113
 ズバリ!直球のタイトルで、購入時には躊躇った。読了の感想は、淫靡さはまったく感じられず、男女の機微を巧く捉えた面白い恋愛小説です。シャレたタイトルにすれば、もっと読まれると思う。連作6編が、それぞれ味付けが異なるので厭きずに楽しめる。私的には【年下の男の子】が断然良い。夫52歳、息子は中学生の円満サラリーマン家庭の話。主人公40歳の奥さまのいい男の条件は、顔の造作は関係なし、そこから滲み出る知性、野性味、誠実さだ。夫はピッタリで二重丸。或る日、造作も好みにピッタリの年下男が現れる…。笑える温かい話です。2016/05/25

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