出版社内容情報
『楽園のカンヴァス』新山周賞作家が描くリセット・ストーリー!
脇目もふらず猛烈に働き続けてきた女性経営者が恋にも仕事にも疲れて旅に出た。信頼していた秘書が手配したチケットはは行き先違いで――? 女性と旅と再生をテーマにした、爽やかに泣ける短篇集。
内容説明
25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!?だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒。伊藤忠商事、森ビル森美術館開設準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年にフリーランスのキュレーターとして独立。05年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
932
何かしら人生をつまずいた女性が主人公の短編集。良かったです。観光地等ではなく知る人ぞ知る、僻地のようなところに旅に出たくなりました。さいはての彼女もハーレーの魅力たっぷり、ナギちゃんもカッコいいし素敵な話でしたが、真冬のクレーンが魅力的でした。タンチョウをこの目で見てみたくなりました。どの話も、未来を前向きにとらえていく決意を持たせてくれる良い話でした。2018/08/21
しんごろ
844
北海道民も渋い街を選ぶなと思う北海道の街を舞台中心にした短編集!どんな理由でも遠く旅に行きたくなるもの(^^;)自分もこの本読んで、どこかに行きたくなったよf^_^;書ききれないけど名言もあり心に残りました(^o^)原田マハさん、北海道がどれだけ好きなんだ(笑)再読時のBGMは奥田民生で(^_^)v2015/11/07
さてさて
623
『だって「線」があるんだもん』という人と人との間に引かれた目には見えない『線』の存在。年齢や性別、既婚・未婚、肩書の上下など。自分が勝手に引いた人と人とを区切る『線』。『そんなもん、越えていけ。どんどん、越えていくんだ』という感覚。『どんな遠くまでも、さいはてまでも』と駆け抜けて行く人生に見えてくる『線』を意識しない世界。意気込みすぎる毎日に溜息をつきたくなった時、ふと気軽に手を取ってみたくなる作品。爽やかな風に吹かれ、人と人との触れ合いを求めて無性に旅に出たくなってしまう、そんな自分を感じる作品でした。2021/03/28
Atsushi
505
四話からなる短編集。いずれもある程度年齢を重ねた女性たちが主人公。仕事や恋愛で少しつまずいた彼女たちが「旅」で出会った素敵な人や風景に思いを馳せ、人生再生への「旅」へ再度足を踏み出します。一話と四話は繋がっていてなかなか憎い演出でした。ナギさんのお父上の「線を越えろ。」という言葉には勇気づけられました。また、四話に登場する桐生さんの弟を思う気持ちに涙腺が危なかったです。今日は良い天気、我が家には「サイハテ」がありませんので、自転車に乗って近所の「風」を味わってくることとします。2017/04/16
三代目 びあだいまおう
458
心にいい風か吹く。悩める女性へのエールであり清涼剤!そんなマハさんの短編。心に闇を抱え我慢しながら懸命に生きている大人が増えている。言葉や態度でのコミュニケーションが希薄化し、職場の上下関係も殺伐。働き方改革は、働き手を守るように見えて実は会社自体に圧をかけ、結局泣くのは職場内での弱き立場の人になる。SOS さえ言えない。我慢の末は退場のみ?そんなのダメ❗すぐに有給とって1人で旅に出よう!知らない土地でのんびり現地の人と接するの!きっと素敵な時間になる!人生の辛さを抱えてる人、これ読んで深呼吸して‼️🙇2019/12/01
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