内容説明
「人間は状況次第でどんなことでもする」と、親鸞はいう。逃れることのできない業、「宿業」によって、人は、神にもなれば、獣にもなる。状況と行動のはざまで、人間は常に不安定な存在なのだ―。運命の手は、残酷である。個人の夢や努力、めざす生き方も、大きな運命の前にはまったく無力なのだ。しかし現在の行為と選択は、未来を変える可能性がある。人間の運命を考え抜いた著者による、金言エッセイ。
目次
第1章 運命の声(胸の奥からきこえてくる声;人のせおった「宿業」とは;思うままにならない世の中に生きる)
第2章 運命の扉をたたく(運命を変えたいという願望;運命と愛;「月を歩く人」の夢と死;幸福をさがして)
第3章 運命は変えられるか(運と不運;運命はときに自分の手のなかにある)
第4章 人類のせおった運命(悪人とは誰のことか;善悪を超えるもの;闇のなかに光をもとめて)
著者等紹介
五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年福岡県生まれ。『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、『青春の門 筑豊篇』ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。81年より一時休筆して京都の龍谷大学に聴講生として通学。ニューヨークで刊行された英文版『TARIKI』が2001年度ブック・オブ・ザ・イヤー(スピリチュアル部門)に。同年、菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。