出版社内容情報
黒木 亮[クロキ リョウ]
著・文・その他
内容説明
五井商事の金沢明彦が進めるサハリンのLNGプロジェクトは環境保護団体の執拗な攻撃を受け、ロシア政府の介入と金融機関の離反を招く。トーニチ専務の亀岡吾郎は、アメリカの対イラン経済制裁で暗雲ただよう「日の丸油田」を救うため、ユダヤ人ロビイストを利用。秋月修二が中国企業に仕掛けた石油デリバティブ取引は、シンガポール市場を揺るがす巨額損失事件へと発展する。大河経済小説、完結。
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファィナンス、航空機ファイナンスなど数多くの案件を手がける。2000年『トップ・レフト』で作家デビュー。中学時代から長距離ランナーとして活躍し、早稲田大学時代に箱根駅伝に2回出場、20kmで道路北海道記録を塗りかえた。ランナーとしての半生は自伝的小説『冬の喝采』にノンフィクションで綴られている。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
速読おやじ
11
超大作たが、三つの長編を読まされた感じ。全て商社が絡む物語て、うち一番とっつきやすいのはエネルギーデリバティブの話かな。やはり油田開発やらLNGプロジェクトととやらは結構難しい。しかし、自分の古巣の話も出てきたりしていて、懐かしかったりもした。さて、小説としての評価はと言うと他の黒木作品と比較すると、ちょっと平均点いってないかも。。というのは辛口過ぎるかな。でもエネルギーのことを楽しみながら学びたいという僕のニーズは思う存分満たしてくれました!2017/02/07
yuuuming
2
あと100ページくらいある感覚で読んでたら、90ページくらいは用語解説と作品解説だった…。不完全燃焼で終わった感あり。みんなの人間ドラマをもう少し読みたかったけど、そうしてたら全10巻くらいになっちゃうよね…。主要登場人物が交差する前提で読んでたけど、それもないので、それまた肩透かし感ありやったかなあ。でも、総じて面白かったです。2025/03/01
takao
2
ふむ2021/08/09
なぜか?カープファン
2
長かった。やっと上下読み終えました。でも、結局、尻切れトンボのまま終了?落ちがない?2017/01/27
sab
1
長くて面白味に欠けるという感想はもっともだ。立場の異なる複数の人物がほとんどは並行して自身の仕事を行う群像劇であり、エネルギーにまつわる仕事をしていても、その線が重なることは稀で、淡々と展開してドラマツルギーに欠けているからだ。しかしそれがリアルなビジネスだとも思う。エネルギーのような巨大な産業かつ安全保障にも関わる問題は、多様なステークホルダーが存在し利害関係の調整だけで人の一生を賭けて取り組む難題足りうる。小説としての面白さよりも、ビジネス・プロセスの楽しさが本書にはある2022/08/20