出版社内容情報
シャーロック・ホームズの元に現れた、美しい依頼人。彼女の悩みは、ある年から毎年誕生日に大粒の真珠が送られ始め、なんと今年、その真珠の送り主に呼び出されたという奇妙なもので・・・・・・。
内容説明
19世紀ロンドン。その明晰な頭脳を生かせる場がなく、退屈な日々に辟易していた名探偵、シャーロック・ホームズのもとに、不思議な依頼が届いた。愛らしく聡明なモースタン嬢によると、ここ数年、毎年同じ日に大きな真珠が贈られ、誰とも知れぬ贈り主から呼び出されたという。興味を惹かれたホームズは、彼女と、相棒ワトスンと共に、指定の場所へ向かうが…。推理と冒険の圧倒的エンタテインメント、読みやすい新訳で登場!
著者等紹介
ドイル,アーサー・コナン[ドイル,アーサーコナン] [Doyle,Arthur Conan]
1859‐1930。イギリス・スコットランドのエディンバラ生まれ。小説家。推理小説、歴史小説、SFなど、多岐にわたる作品を残す
駒月雅子[コマツキマサコ]
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
171
ホームズ長編の1篇で、国外の秘宝の争奪戦の顛末を描く。面白かった!とっかかりも面白いし、後半の追跡劇もアクション風でまたよし。事件の解決より目を惹いたのが、大英帝国のスケール感とその存在感。当時のロンドンを散歩したいものだ。英国は世界を支配する一大帝国だった。怪しげな外国人や国外のおどろおどろしい風景が、モンド映画風のテイストを醸し出す。ホームズがコカイン常用者でワトソンがこころよく思っていない描写、ワトソンの結婚のエピソードあり。2022/06/29
tonnura007
76
ホームズの元を訪れたのは美しき依頼人モースタン嬢。毎年誕生日になると大粒の真珠が送られてくる、しかも今年は真珠の送り主から呼び出されているという。ホームズはワトソン、モースタン嬢と向かった先で事件に遭遇する。 名犬トービーとの捜索やテムズ川での追跡劇など、探偵として真相を究明しようとするホームズの姿が格好いい。コカインに執着する様子も興味深い。本書ではワトソンが自身の恋心と葛藤するシーンも注目であり、まさに盛り沢山な内容。 また、犯人が運命に抗えず自身の人生を振り回された過去を語るシーンも印象的。2024/10/14
yu
54
Kindleにて読了。暇すぎるからコカインって。。。さすがホームズさんですね。最後の語りが若干長い気がしたものの、楽しく読みました。2020/01/04
タツ フカガワ
49
依頼人は清楚で地味な容姿のモースタン嬢。6年前から誰とも知れぬ人物から毎年同じ日に大粒の真珠が送られていて、今夜呼び出されたので付き添ってほしいという。この依頼がのちに密室殺人、財宝探しへと展開していく。最後に“宝”を手にするのがワトソンというオチが面白い。2021/06/03
*maru*
47
前作の事件後、退屈な日々を過ごすホームズのもとを訪れた依頼人モースタン嬢。彼女の依頼にテンションが上がったホームズは相棒ワトスンと共に行動を開始する。失踪者、真珠の小包、奇妙な手紙、財宝。トービーとの追跡劇、ベイカー街イレギュラーズ召集、ワトスンの恋愛模様など、推理小説というジャンルにとらわれないエンターテイメント性の高い作品だ。些細な問題がいかに重要か。コカインはいただけないが、ホームズの卓越した洞察力にはやはり舌を巻く。時代背景と共に描かれる犯人の動機、前作と同じく特に終盤が抜群に面白かった。2018/05/14