出版社内容情報
華やかで貪欲だった「昭和」を駆け抜けた男の物語。
昭和30年代、黎明期のテレビ業界に現れた男は、その天才的センスで手がける音楽番組を全てヒットに導き、スターを生み出し、黄金期を築く。破天荒な敏腕プロデューサーを生んだ時代を描くエンタメ大河小説!
内容説明
昭和30年代、黎明期のテレビ業界に身を投じた一人の男がいた。その天才的なセンスで、手がける音楽番組をすべてヒットに導き、数々のスターたちを生み出していく。空前絶後の大イベント「東京音楽祭」をはじめ、伝説的な仕事はいかにして成されたのか?日本の経済成長と共にテレビ黄金期を築き上げた、破天荒な敏腕プロデューサーの仕事ぶりを実名で描く長編小説。日本人にエールを贈る、著者にしか書けなかった新たな代表作。
著者等紹介
なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年、中国黒龍江省牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒。大学在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、64年「知りたくないの」のヒットを機に作詩家となる。日本レコード大賞を3回、同作詩賞を2回、またゴールデン・アロー賞などを受賞。98年『兄弟』を発表し、作家活動を開始。2000年、『長崎ぶらぶら節』で第122回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まっっは
2
伝説のTBSプロデューサーの仕事ぶりを実名で描く長編小説。「誠実」「配慮」「愛情」「妥協」といった言葉とは無縁の、実力だけの真っ向勝負の人生。傍若無人な立ち振る舞い、女を取っ替え引っ替え、究極の自分勝手。これを大嫌いな人はもちろん居ることでしょう。ただ、実力勝負の世界に身を置くものとしては、強烈な個性・一切妥協しようとしないスタイル・相手をねじ伏せる豪腕に憧れずにはいられません。自分の感性に絶対の価値を見出しているからこそ、相手に対して絶対に譲らない。スパイスの効きまくった、非常に刺激的な一冊でした。2016/02/12
fwhd8325
2
テレビ黎明期の熱気は伝わってきますが、モデルとなるプロデューサーは、どうしても好きになれない。彼らがいたからこそのテレビの普及かもしれないが、彼らの無秩序が今の衰退を予見していたのかもしれない。 読後感の悪い小説でした。2014/05/14
栄養満点ナス
1
昭和という時代を、己の才覚で生き抜いたTBSのプロデューサーの話。生き方がとにかくぶっ飛んでいるなという印象。自分の生き方とは完全に対極にある人間の生き方だった。 サクセスストーリーをひたすら見せられ続けられている感覚もあったが、なぜか最後まで読み進めてしまった。有名なジャズシンガーとかが出てくるのは面白くもあった。自分の思うがままに生きる生き方を、少しは参考にしようかなと思った。 2021/01/08
ハシモ
1
主人公が人間的に好きになれず、うんざりしながら読みました。斜め読みしながらの読書でしたが、東京音楽祭なんかは行儀良いやり方では実現しなかったのかもしれないな、とも思ったり。 タイトルに関しては元々「世界は俺が回してる」だったらしく、そちらの方が合っていたと思います。2019/09/12
鷹ぼん
1
「ギョロナベ」と呼ばれた、TBSの名物プロデューサーの仕事、私生活を登場人物もほぼすべて実名で描いた長編。テレビ黎明期から昭和の終わりまで、テレビが楽しく面白かった時代を振り返ることもできるので、楽しく読めた。こういう人たちが跋扈していたから、テレビは楽しかったのだ。今のテレビがつまらないのは、作り手がつまらないからであり、同時に世の中全体につまらない人間が増えたということだろう…。その時代をヒットメーカーとして生き抜いてきたなかにし礼だからこそ書き上げることができる作品だろう。2012/12/06
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- 和書
- 日本語の音韻とアクセント