角川文庫<br> 友情/愛と死

角川文庫
友情/愛と死

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  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041004043
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さっとる◎

41
「失恋能力」の高い実篤さん2作目。「お目出たき人」の印象のまま読み始めちゃったら何だか意外とシリアスだった(笑)「友情」「愛と死」タイトルそのままの2作品。一人で勝手に恋に恋して当然の如く失恋すると当然ながら滑稽さが前面に出る。「友情」ではそこに美しく理想的な友情が絡んでくる。滑稽な恋の質は変わらないながら作品が与える印象は随分変わる。「愛と死」では、ロマンチックが止まらない実篤全開でありながら生きている以上切実な問題であり続ける「死」が影を落とす。愛する者を失って、それでも生きる。「失う」の意味も様々。2016/04/22

カブトムシ

20
武者小路実篤の初期の代表作。大正8年(1919年)に新聞小説として、大阪毎日新聞に連載。脚本家「野島」と小説家「大宮」とは友人。野島は別の友人の妹「杉子」に強くひかれ、恋を感じ、そのことを大宮にうちあける。大宮は洋行。1年経って野島は思いきって杉子に結婚を申しこむ。しかし、杉子から断わられてしまう。さらに1年経って杉子が洋行。ついで大宮から作品の掲げられた雑誌が送られてくる。そこには大宮と杉子とがかわした手紙がそのまま載っていた。野島は大きな打撃を受けるが、その失恋をバネにさらに強く 生きていこうとする。

ナチュラ

20
「友情」も「愛と死」も美しく、切ない。素晴らしい恋愛小説だった。2019/12/29

星野

13
武者小路実篤は初。いや、凄い面白かった。やっぱり文学は清々しく、雄々しいものであると再確認。久々に夢中になりするすると読破した。友情は・・・あれは仕方ない、めちゃくちゃ大宮良い男だもん^^(笑)愛と死は二人のやり取りが可愛く高らかで、こちらまで恋愛特有の浮遊感を味わえた。両作品とも恋愛をメインにあげているように見えて、その実生における芸術は苦しみから生まれるという事実を提示しているように思えた。著者の作品、他も探してみようっと。続2011/03/05

三平

12
「失恋能力」の大きい小説家と評されたらしい武者小路実篤の恋愛小説2編。両作品とも見事なまでに想い人を失った男が主人公。『友情』は想い人本人というより自分の中の妄想の中の女性に恋している男の七転八倒振りを描いている。恋する者のおバカさはわかるけどダメダメな男だなあ。友情という以前にあの方法を取らなきゃ友人はこういうタイプの主人公からは一生恨まれそう。友情は絆であると共にやっかいなしがらみでもあることを実感。『愛と死』はベタ甘恋愛小説。読みやすかったけど物足りなさを感じた。2015/01/13

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