角川文庫
人生を歩け!

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041002407
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

破天荒にして深淵。悩みが吹き飛ぶ贅沢対談集。

ともに大阪出身の人気作家が、上京後に暮らした町を歩きながら、縦横無尽に語りあう。話は脇道に逸れ、さまざま道草食いつつも、人生について、創作について、いつしか深いところへ降りていく――ファン待望の対談集

内容説明

ともに大阪出身。単身上京し「下降と自己決定の放棄」から出発した東京生活。世間から外れれば外れるほどカッコええと信じていた青春時代、二人の作家はどこでどのように過ごしていたのか。成増、武蔵関、浅草、三崎…お互いの思い出がつまった懐かしの街を訪ね歩きながら飛び出す面白エピソードの数々。絶妙の呼吸と間合いで笑いの絶えないライヴ感満載の応酬の先に、作家の人生観と鋭い観察眼が冴えわたる、異色対談集。

目次

第1章 成増(上京について;成増という街 ほか)
第2章 武蔵関・上石神井(仕事とはなにか?;図書館と人生 ほか)
第3章 浅草(犬について;大人について ほか)
第4章 三崎(三崎というところ;人生における魚介 ほか)

著者等紹介

町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。高校時代より音楽活動を始め、INUを結成。81年アルバム『メシ喰うな!』でデビュー。96年に発表した処女小説『くっすん大黒』でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞を受賞。2000年『きれぎれ』で芥川賞、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞

いしいしんじ[イシイシンジ]
1966年大阪府生まれ。京都大学文学部仏文科卒。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

美登利

43
町田さん、いしいさんの小説すら読んだことないのに初読みが対談本になってしまいましたが、お二人の個性がよく感じられて結果的には良かったかもと思いました。しかも、路上対談って形式がすごいですね。歩きながら話してるのでドンドン話題が変化していく。知らない土地の話でもあるし、最初はとっつきにくく感じましたが、大阪人特有のキャラがにじみ出て面白かったです。生まれた年代が近いのもあり、懐かしいと言う感じがしました。三崎でのバーのマスターの話が良かったですね。マグロ食べに行ったことあるので(笑)2014/03/06

chanvesa

27
お二人のゆるいトークの中に、ポレミックな論点がいくつも出てくる。優越感における想像力の役割、おやじギャグにおける孤独性、行楽の無理やり感、外食のエンタメ性。だけど、最後の283頁以降の二人の対話はすごい。「人間というのは宇宙全体の一つの実験のように思えてくる(町田さん)」、「自分の言葉が誰かに伝わったのかもわからない。…人間って、信じることの細かい積み重ねでできているんじゃないですかね。(いしいさん)」。謙虚さと、鋭い人間観察の見事さ。2015/01/24

おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ

19
若かりし頃(といっても3年前だからすでに充分すぎるほどおっさんであった)書いたレビューの内容が陳腐すぎて顔面からメタンハイドレードが噴出するほど恥ずかしいので書き直す。いしいしんじの頭の中を覗いてみたくて手に取ったが、一緒に写っている町田康(まだ神ではなかった)が奇妙な生き物すぎて、とんでもなかった。二人揃った写真はどの場所であっても精神科の待合室にしか見えない。さりげないスナップという趣旨だろうに、町田康はいついかなるときもカメラ目線で「くわっ!」と睨んでいる。会話はわりと普通。二人の歩んだ人生の話。2014/04/11

更夜

14
昔住んでいた街はなつかしい。町田康さんは成増と武蔵関、いしいさんは、浅草と三崎。ただのおしゃべりでなく、さすが作家のおふたり。鋭い指摘や考えが時々はっと出てきます。ごく普通の人が何とも思わないことを結構、しつこく語りぬく2人。個人的にはいしいさんの住んでいた浅草界隈が、聖俗もろもろで面白く、だらだら歩きながら話しているようでも読みごたえのある「対談集」になっています。2016/03/17

あい

13
おっさん2人が電車に乗ってぶらぶらと上京してから住んだ場所、通った店を訪れる。その時の会話を録音したものを文字起こししただけの本。これがめちゃくちゃ面白い。畏まった場を設けて「よろしくお願いします」と始める対談とは違った「ゆるさ」が凄くいい。そして、ところどころ名言も飛び出してメモの手が止まらなくなりました。町田康作品の面白さは「うまくいっていないことって、たいがい笑いにつながってくる。……自分のあわれな様を、自分でゲラゲラ笑う」という言葉に集約されていると思う。いしいしんじ作品も今度読んでみよう。2022/02/23

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