出版社内容情報
ついに迎えた天覧能。夢幻の大舞台が花開く、能楽恋絵巻第六幕!!
帝、氷見の御前で舞う天覧能の日も間近。演目の目玉は白火が亡き母のために書いた新作能『颯佐』。しかし、白火は舞うために書いたのではないと言い出せず、蒼馬とすれ違っていく。そんな折、白火の移籍の話が出て!?
内容説明
「恋だの愛だの、くだらない」ついに幕を開けた、舞い人たちの最高舞台、天覧能。戦国の世の狭間、その大舞台は帝、氷見の勅命で、蒼馬率いる柚木座主催で行われる。その目玉は男装の舞姫白火が書いた新作能『颯佐』。しかし、白火は母を偲んで書いたこの作品を人前で舞いたくない。そう言い出せずに蒼馬と白火の心が離れていく。刻一刻と天覧能の日が近づいてくる中、二人は決定的にすれ違ってしまって!?能楽恋絵巻第6幕。
著者等紹介
河合ゆうみ[カワイユウミ]
第8回角川ビーンズ小説大賞読者賞受賞。『花は桜よりも華のごとく』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
19
桜は早坐。誰よりも早く春を告げ、最初に神のおわします処。誰よりもいっとう早く、神様に愛されるその場所で、現人神のお召しに従い、少女が舞う。彼女の描く、彼女の信じる愛の物語を。引き裂かれても、身分違おうとも、再び巡り合える至高の愛を。颯と吹く風の中、護られた桜。揺れる花びら、震える蕾。爛漫の華の向こうに、君がいる。あれから一年。冷たく深い夜を越え、冬を乗り越えた。燃え盛る炎と出会い、氷の華に閉ざされて、そして今空舞う姫が若木へと、舞い降りた。花は咲く。何より可憐に。花というよりも尚桜の如く、そして華の如く。2012/04/30
みとん
8
展覧能で、白火が書いた新作能「颯佐」を演目に入れて喜ばせようとした蒼馬。しかし、白火は人前で披露するために書いたわけではないことを言い出せず、二人はすれ違っていく。さらに、永観座から白火に移籍の話が舞い込む。裏には井澄の嫁として白火を・・・という考えもあるようで?っていうか、蒼馬が移籍の話をしてる時に「白火が客演だとやりにくい」って言ってんじゃん。永観座に移籍しても客演になるでしょうに。話ちゃんと聞けよ~、と思った(笑)この移籍騒ぎで矢涼と朧が進展したのが嬉しい!「離れるときはお前も一緒」矢涼よく言った!2016/05/12
シュウ
7
天覧能。文章で読んでその情景を想い描くことは出来るけど、実際に観てみることが出来たらなぁ。素敵だろうなぁ。2017/12/06
U
7
永観座がちょっと可哀想だなあ、と思ったりな最新刊。舞のシーンはすごく良かったです! でも移籍しちゃうのか……うーん、柚木座なら、良い、のか。女版世阿弥みたいに思っていたので、うん、お父さん淋しくなるね……。白火はやっぱりもうちょっと男らしさ欲しいな。芸人が恋人に振り回されちゃうのって大丈夫なのかしら。帝が好きだなー。楽しい。朧と矢涼カップルほわーっとしました……。朧好き。移籍にしょんぼりはしましたが、全体的に華やかでとても楽しかったです。蒼馬ちょっと自重(笑)。2012/03/12
絳楸蘭
5
まぁ、蒼馬さまに全てを察しろというのは無理だし、白火に全部話せっていうのも無理だから仕方のないすれ違いよね…。氷見さま楽しそうだな。井澄さまの待ちの姿勢がなんともいえない…。静凪さん、横槍はほどほどにお願いします。2013/08/14