出版社内容情報
襲いかかる死の衝動、 緊迫の社会派サスペンス!
広告代理店に勤める佐東は、プレゼンを繰り返す忙しい日々の中、自分の中に抑えきれない自殺衝動が生まれていることに気づく。無意識かつ執拗に死を意識する自分に恐怖を感じた邦郎は精神科を訪れるが、そこでは!?
内容説明
私、電車に飛び込もうとするんです―広告会社に勤める佐東邦郎は、プレゼンを繰り返す忙しい日々の中、自分の中に抑えきれない自殺衝動が生まれていることに気づく。無意識かつ執拗に死を意識する自分に恐怖を感じた邦郎は、精神科を訪れるが、そこでは!?人間の心をコントロールするのは誰なのか、意志や行動を決めるのは、本当に自分なのか。そして人間たちの狂おしき贖罪の結末は!?緊迫の社会派医療サスペンス。
著者等紹介
山田宗樹[ヤマダムネキ]
1965年愛知県生まれ。98年に『直線の死角』で、第18回横溝正史賞を受賞。2003年に発表した『嫌われ松子の一生』は、映画、テレビと映像化され、大ヒット作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
71
死にたい自覚が全くないまま発作的な自殺衝動に悩まされる広告会社のクリエイター。担当する精神科医は診療を続けるうちに、人間の脳にはもともと自殺衝動を起こす仕組みが備わっているのではないかと考えるようになる。普段は休止しているが、何らかの原因で起動すると意思や理性で抑えられず自ら命を絶ってしまうという仮説が妙に説得力があって怖い。興味深くはあったが、ちょっと暗くてどんより。コマーシャル制作のエピソードの方が面白かった。プレゼンやコピーのアイディアに感嘆!山田宗樹さんの企業小説読んでみたい。2018/08/15
ジュン
39
図書館本。駅のホームに立つとふと飛び込もうとする、しかも無意識に。不倫相手の夫の自殺をきっかけに佐東は死の世界へ呼び込まれていく。主人公目線と精神科主治医目線で描かれていく心の葛藤。「死にたい」「生きたい」「殺したい」「助けたい」、色んな要素が絡み合ってラストは一気読みでした。2017/08/28
Junichi Yamaguchi
33
『Σ』… 「死にたくない」と思う気持ちが、一般的なものなのか自信が持てなくなる… 読後にタイトルが浮かび上がってくる。 フトした時、弱った時の人の心、僕はキチンと前を向けるのか⁈ 上手く前を向けたとしても、向いた先が今、僕が思う合っている方向だとは限らない。。2017/11/28
007
15
題名から勝手にもっとおどろおどろしい内容かと思ったが現実的な感じのする内容だった。面白かったし読みやすかった。しかし不倫で他人の子供身籠ってはいけませんね。皆が不幸になる。2013/12/08
ぴ〜る
14
何かを引き金に誰もが死への願望に取り憑かれる可能性を秘めているのだろうか。自分の意思とは違う方向へ身体が動いてしまう事の恐ろしさ。。。でもそれが心の潜在意識でで本当の自分なのか。。。なんとなくドキドキハラハラしながら一気読み!ラストは想像していたよりもモヤモヤのないラストで良かった!2017/12/18