出版社内容情報
衝撃の問題作、遂に文庫化
1995年1月17日、兵庫県一帯を襲った阪神淡路大震災。死者6347名を出したこの未曾有の大地震には、数々の不審な点があった……。『下山事件』『TENGU』の著者が大震災の謎に挑む長編ミステリー。
内容説明
1995年1月17日、兵庫県南部を襲ったM7.3のGEQ(大地震)。阪神淡路大震災と呼ばれた震災から13年―日系ジャーナリストのジョージ松永は、行方不明の友人のメールに導かれ神戸に降り立った。待っていたのは謎の女CHISATO。震災に関わる重要人物たちに取材を始めた松永は、やがて恐るべき真実に直面する…。9.11に連なる世界のテロ、大災害の裏に潜む巨大な陰謀とは?各紙誌で絶賛された問題作、文庫解禁。
著者等紹介
柴田哲孝[シバタテツタカ]
1957年生まれ。日本大学芸術学部中退。86~88年、パリ~ダカール・ラリーにドライバーとして参戦する。アマゾン秘境に釣行するアウトドア派でもある。ノンフィクションライターとして2006年『下山事件 最後の証言』で、第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)と第59回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)をダブル受賞する。小説家として07年『TENGU』で、第9回大藪春彦賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モルク
95
阪神淡路大震災から13年。ジャーナリストの松永が亡き友人が投げかけてきた謎に挑む。あれは人工的に起こされたものだったのか。阪神の時は社民党村山政権、初動が遅れ兵庫県知事も自衛隊への要請が遅れたためで失われなくてよかった命が多く犠牲となった。東日本の時も民主党政権。これも後手にまわった。後半は北京オリンピック間近の中国に舞台を移す。多々な陰謀渦巻く地。柴田作品は好きだし、この本もおもしろかったんだけど、読むのにやたらと時間がかかってしまった。2023/05/27
はつばあば
48
柴田さん書いてくれますねぇ。良い意味でも悪い意味でも怖い。ノンフィクション作品かと思うくらい、人物や地名が実名であるだけに余計政府の陰謀説??にモシヤ・・と思わせる。思わせると言うよりフィクションだと自分に言い聞かせなければ、政府を信じられなくなる。東北大震災で原発事故が起きたその時、ある議員は家族を海外に逃したと。何も知らないでいる私達庶民。南海トラフ、30年以内に起る予想が出ているが自分達や孫の世代、いつまでも平和であるようにと心から願う。2015/04/10
とも
40
★★★★この本をよくある陰謀小説と読むか、ノンフィクションと読むかは、読者の判断に委ねられるところ。仮に前者スタンスで読む場合、まぁよく出来ている。プロットはもちろんだが、ストーリー、人物描写、スピード感どれをとっても圧巻で、途中でやめられなくなる。後半はおおよそ答えも見えてきて、少々尻すぼみ感は拭えないが、最期の最後に書かれたハイチの予言は不気味であり、また東日本もどうだったんだろうと、ちょっと真剣に考えてみたりして。。。兎に角、迫力がある作品。2016/01/12
koba
30
★★☆☆☆2019/06/09
B-Beat
28
☆読メにて知りながらもなかなか読めなかった作家さん。今回初読。その題名・内容故感想というか言い回しに注意をせざる得ないそんな読後感。作中に歴史上史実として刻まれる事柄とは時の権力者の発表とそれを追認する学者や専門家の見解によって確定されるとあった。嘘はそれが巨大であればあるほど世の中は騙されやすいとも。解説に本来作家の役割とは事件や事故の闇に迫り新たな視点を提示することであり、それは個人の知る権利や生きる尊厳を問いただす意味でも大切とある。世の中の厳しい現実を正確に認識して日々の生活を過ごしていきたい。2014/08/06