出版社内容情報
あたしたちは、戦う。この不条理な現実と。予測不能な超絶青春エンタメ!
ピチピチの素肌。膝上20センチのスカートからスラリと伸びた脚。女子中学生は無敵だ。しかし、突然の微熱と関節痛から目覚めると、その朝少女たちは――。14歳のリアルをダーク&スイートに描く異色作ついに文庫化!
内容説明
生島ちほ14歳、今日づけで男子になってしまいました―。同じ中学に通う仲良し女子6人組を襲った、不思議なヤマイ。関節痛のような痛みを伴うそれは、驚きの現象を引き起こすものだった!親友男子に告白されたあと、男になってしまったちほ、オトナになってしまった咲、そして…犬にまで!?一方、市内では女子中学生を狙った猟奇殺人事件が起きていて…。この非常事態に、少女たちは!?予測不能な変身系青春エンタメ。
著者等紹介
壁井ユカコ[カベイユカコ]
沖縄出身の父と北海道出身の母をもつ信州育ち。学習院大学経済学部経営学科卒業。第9回電撃小説大賞“大賞”を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさきち
67
14歳の仲良し女子中学生6人組。そんな彼らの身にある朝信じられないことが起きる。男になる、突如大人になる、はたまた犬になったり友人と容姿が入れ替わる、最後には左手首に異形の生命が宿る。そんな不安に苛まれてもおかしくない状況を皆すんなりと受け入れ、前向きに自分の成長の糧とし、一歩進んでいく。その強さとしなやかさはこの年齢の女子特有のものなのかと感心しながらの読了です。2024/10/03
ちょこまーぶる
58
楽しく読み終えた一冊でした。仲良し中二女子の6人が、自分以外の何者かに9日間だけ変身してしまうという話なんですが、自分の14歳の時の事は昔過ぎて思い出せませんが、恐らく妄想好きだったんじゃないかなと思うんですよね。そう思うと、このくらいの年齢の頭の中の変身願望・妄想を体現しちゃったんだろうと思いながら読みました。そして、自分じゃない何者かになってみて、自分を見つけていくという過程があっても良いじゃないかと思っちゃったりしましたね。14歳限定症候群もある意味良い体験かもしれないなぁ~と思いましたね。2024/06/03
じょんじょん
30
14歳の女子中学生6人グループがいろいろに変身しちゃう話。男になったり、犬になったり、大人になったり、入れ替わったり。変身後の環境がまたひとひねりあります。14歳女子中学生というところがポイントなんだろうな。昔でいえばJKが無敵存在だったけど、現在では最強無敵は女子中学生なんですね。変化した環境で、それぞれの人とは共有していないダークサイドが明らかになる。朝井リョウさんの『何者』のようなそれぞれの異なる内面に驚く。でも、14歳の柔軟でしなやかかつ強靭な気持ちが導く結末は不思議と心に残るエンドロールでした。2017/04/21
アズマ
28
再読です。少女であるからこそ何事にも無敵に慣れる、というのは確かにわかる気がします。「従順」の思考がだんだん変化していく部分がゾッとします。2019/07/06
アズマ
28
試し読みにて。前から気になってたのでこの機会に読んでみたらかなり期待を上回る面白さでした。それぞれに起こった現象のインパクトがすごかったです。不思議な話だけど、女子同士の人間関係とか心情とかすごくリアルです。ちょうど14の今読めて良かったです。「独占」がかなり黒くて1番印象的だったけどやっぱり「死命」の終わり方が1番好きです。ありえないことばかり起こったけど、14歳の女子は無敵、らしいです。私も14ですがあまり同年代には感じませんでした。でも面白かったです。2018/12/01