内容説明
江戸っ児をもって任ずる若い教師の坊っちゃんがその一本気な性格から、いつわりにみちた社会に愛想をつかす。作品を一貫するものは、人間漱石が持って生まれた反俗と正義の心に外ならない。ロマンティックな稚気とユーモア、その歯切れのよい表現は、爽快さにみちている。明治三十九年「ホトトギス」に発表。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうけん
12
<明> 今回僕が読んだのは1992年に角川文庫から発売された改訂版の第72刷。後付けを読むと角川文庫の初版は1955年らしい。原書の初出は1906年で掲載誌はもちろん『ホトトギス』。 1906年とは明治39年である。この作品はこの頃書かれた小説にしては句点「。」が多用されている。(と思う)文書が短く完結するので大変に読み易いのだ。但し改行の頻度は極端に少なく小さな文庫本のページはそりゃもう沢山の活字であふれている。2021/09/29
佐倉
10
歯切れが良く、爽快な作品。主人公の坊っちゃんは幼さがあるものの、頑固で一本芯が通っている人物。周りに流されやすい人間が多い中、自分の考えを貫き通し、世の中の汚さに正義感を持って立ち向かう姿が素敵。自分の性格、日々の生き方を考え直された1冊だった。2020/03/27
Masa199802
10
夏目漱石が読みたくなって迷わず坊ちゃんを購入。これほど素晴らしいものがあったのかと感嘆しました。また、語彙が豊富で使う言葉もリズムがあり音読して見たくなるような本でした。坊ちゃんの言葉遣いや、心の中で思っていることが面白くなんども声を荒げて笑ってしまいました。2016/12/17
9
正月に二宮和也主演のドラマを見たので久しぶりに開いてみた。中学生の授業時に財布をトイレに落とすくだりで、あまりのおかしさに笑いが止まらなくなり往生した記憶がある。2016/01/09
kera1019
7
この時代にあった小説という事なんでしょうけど、時代を感じます。昔はこういう事だったんだとは思いますが正直、よく分かりませんでした… ( ‾᷄ ⌑ ‾᷅ ‧̣̥̇)2019/01/05