出版社内容情報
『モルヒネ』の著者が放つ恋愛長編
地方のラジオ局からフリーのアナウンサーとして上京してきた稲葉雪乃は、ある富豪の家の亡くなった妻の身代わりとなった……。心の空白を抱えた人間たちの再生とは? 『モルヒネ』の著者が放つ恋愛長編。
内容説明
北海道から上京してフリーのアナウンサーとなった稲葉雪乃は奇妙な仕事を請け負った。心身を患う義父のため、亡妻・千勢の代わりになってほしい―。地図製作会社社長の葛木晋一郎に依頼され、駿河台の邸宅に通い始めた雪乃。やがて、千勢が夏至の日に影の消える都市“花蓮”に憧れを抱いていたことを知る。なぜ?直後、雪乃の前に千勢の過去を知る謎の男・五十嵐が現れ…。ベストセラー『モルヒネ』の著者が贈る恋愛長編。
著者等紹介
安達千夏[アダチチカ]
1998年、「あなたがほしい」ですばる文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がぁ
5
よく書かれている作品だとは思うが、途中に不要だと感じる挿話があったりして、集中して読むことができなかった。2016/03/13
ゆっ
3
依頼とはいえ、亡くなった女性の代わりとして生きるとはどういう気分なんだろう。とっても不思議な小説。オチが意外過ぎてかなり驚いた。どうしてこうなっちゃったのか安達さんに聞いてみたい。2014/03/15
Motley
1
★★★2012/02/19
oe2
1
主人公も含め出て来る人たちが何を考え、何の為に生きているのかが曖昧で、感情移入は勿論のことそれらの人達の言動に何の理解も示せず、終始薄っぺらなお芝居を見ている気分でした。当たり前にくると思っていた明日が来ないかも知れない、誰かを失ってから見る朝の太陽は、それ以前とは全く違うものかも知れない。そういった考え方には共感を覚えるものの、人と人との境界線があやふやなのか、もっと個人個人を掘り下げた書き方をしてみれば又違ったように見えるのかなあとも思います。著者の別の本をまた読みたいとは思わないかな。2014/04/30
エドワード
1
フリーアナウンサーの稲葉雪乃は、奇妙な依頼を引き受ける。余命短い地図会社社長の話相手をするというものだ。理由は、雪乃の声が社長の亡き娘千勢と瓜二つで、正気を失い娘の死を認めない社長の容態を少しでも安定させるためだった。 若くして死んだ人間は永遠に若いままだ。現実の生を生きる<雪乃>、年をとらない<千勢>。変わらない過去。過去にしばられる現在。終盤で「わたしたちは、わたしたちの生を生きるんです」「生きていくための地図は、常に更新していかなければ」と雪乃は決心する。明るい予感の結末に快い余韻を感じる作品。2012/04/25




