出版社内容情報
壮大なスケールで戦国の英傑たちを描く歴史大河小説!
乱世を渡り歩き、秀吉ら戦国の英傑らと奇縁を得た若き日の天海。時は信長の天下かと思われたが、そこには予想だにしない破滅の足音が近づいていた……。構想20年、ミステリの名手が歴史の謎に迫る野心的大作!
内容説明
旧体制を独特かつ画期的な政策によって次々に打破してゆく信長は近隣の戦国大名を次々と呑み込んでいく。圧倒的な権勢で他の追随を許さぬ信長軍団であったが、将軍・足利義昭だけは信長打倒への執念を燃やし続けていた。義昭の陰謀、光秀や秀吉を始めとする信長軍団内の不信と確執…。様々な思惑が交錯する中、ついに本能寺の変が勃発する。その時、随風が目にした歴史の真相とは?ミステリの名手による傑作歴史長編。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。82年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている。2006年4月に刊行された『棄霊島』で名探偵・浅見光彦は100番目の事件に挑戦。07年、全著作累計部数が1億部を突破。08年3月、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TheWho
13
下巻に入り物語は、三方ヶ原合戦での武田信玄と徳川家康との激突を経て信玄の病死から始まり、織田信長の縦横無尽の活躍により戦国末期の様相が語られていく。そしてその過程で、信長が苛烈な歴史の改革者、時代の破壊者の如く描写され、本能寺の変に繋がる覇王の滅亡を一見時代のジャーナリストの如く天海こと髄風が、歴史の変遷に立会い物語る展開であった。推理小説の大家が語る本能寺の変の真相に迫る面白い作品です。2022/11/23
浦
8
推理小説の大家らしい、本能寺の変。歴史を描いても、それぞれの著者の色が出る。戦国に疎い僕でも知ってる三英傑の時代だったこともあって、すらすら読めた。2018/10/02
ハルキゲニア
4
織田信長が徹底して自分に逆らう勢力を根絶やしにしていくのが、なんだかやりきれない。人を殺し、燃やし尽くした結果、天下取りの一歩手前で家臣に裏切られるという悲しい結末。作者の内田康夫さんは秀吉が好きなんじゃないかな?と感じる点がアチコチにあるけれど、私はやっぱり信長が好き。この時代の作品はいろいろあるけれど、信長が一人称の作品って少ないな、と思ってみたり。ちなみに本作は家康に仕える以前の天海と明智光秀目線で書かれています。2019/09/13
Yoichi Taguchi
3
若かりし頃の天海(徳川家康の参謀)を描いたものだが、時代設定を“木下藤吉郎・明智光秀の登場~本能寺の変・中国大返し”に合わせている。所々、随風(天海と称する前の名)が登場するものの、桶狭間の戦い、本願寺攻め、長篠の戦い等々を丁寧に記述しており、ちょっとした歴史書と言った感じ。大方の日本人にとって、この時代(戦国時代)は人気があり、NHKの大河ドラマでも視聴率が良いと聞く。頭の中につぎはぎ的に存在している知識の見直しにはいいかも。尚、浅見光彦ファンには、あまりお勧めできないかもしれません。2015/12/12
如雨露屋
2
家康公に仕え、徳川家の尊崇が厚かった「黒衣の宰相」こと若き天海僧正、まだ随風と称していた頃の主人公が、年始になると参詣している埼玉県は川越にある喜多院の院主であったのを知り、おどろいた。2016/02/14