出版社内容情報
名手が抉り出す、珠玉のミステリ短編集!
恋に悩み、仕事に悩み、そして人生に悩む女たち。絶望に立たされた彼女たちが取った行動とは。日常に潜む人間の狂気を描いた、8つのミステリ集。
内容説明
シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して…(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年、『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。以来、細やかな心理描写を軸にした質の高いミステリ作品を発表し続ける。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
359
読み友さんにお奨めして頂きまして読みました初読み作家の近藤史恵さんの8編のミステリ短編集で第一印象とは少し違いましたが、面白くて良かったですよ。どうもありがとうございました。これは誰もが勘違いするだろうと思いますが、表題作「ダークルーム」の暗い部屋とは実は暗室の事だったのですよ。本書の統一テーマは「裏切りの苦い思い」かなあと私は感じましたが、著者は根が陽性の方なのか読後イヤミスみたいな後味の悪さは皆無でしたね。なるべくぼかしながら紹介します。『マリアージュ』高級フレンチ・レストランに毎夜通う女の理由とは?2021/11/13
takaC
228
突飛ではなくありがちな恐怖というか蟠り。解説(藤田香織)もほどよく調和。2016/04/13
masaru
195
短編。人間の嫌な部分をストーリーによって、さらりと、じっとりと、ねっとりと、さらには心地よく描いた作品でした。面白かったです。2017/01/02
utinopoti27
181
軽いテンポのミステリから、どっぷり重いサスペンスまで、近藤史恵という作家は実に多彩な顔を見せる。本作に収録されているのは、初期から中期にかけての短編が8つ。どれも力みのない、繊細な心理描写が活きている。兄に執着する妹の狂気を描く表題作『ダークルーム』。兄から恋人を遠ざけるためにとった妹の行動とは・・。日常の一瞬にふと頭をもたげる心の闇や、さりげない態度に隠された狡猾な悪意を、さらりとしたタッチで包み込む手法は、佳作ながら納得の巧さだ。最近とみに安定感と円熟味を増してきた「大御所」の活躍に、今後も期待したい2020/09/29
ダイ@2019.11.2~一時休止
158
短編集。ダーク系が多いかな?。SWEETBOYSが一番良かった。2017/10/08