角川文庫<br> 時雨ごこち―紋ちらしのお玉

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角川文庫
時雨ごこち―紋ちらしのお玉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041000700
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

幕末の荒波が、ついにお玉に迫る。男たちの運命は? 人気シリーズ完結!

柳橋の売れっ子芸者・玉勇には、抱かれた男の家紋を刺青にして体に千個彫るという「千人信心」の秘密があった。男たちが「紋ちらしのお玉」の体を通り過ぎ、市井の女を幕末の時代の波が呑み込んでゆく。書き下ろし!

内容説明

柳橋の売れっ子芸者・玉勇は、千人の男に抱かれる“千人信心”の願をかけている。男たちの家紋を刺青にして体に入れるのが、その証だ。いつか、惚れた男の「桔梗紋」を刻み込みたいと願いながら、今は「四つ目紋」の男を情人にしている。その体を、幕末を彩る男たちが通り過ぎてゆく。最愛の男が命を落とし、別れと再会が錯綜する中、お玉は芸者の意地にかけ、江戸の粋と共に生きようとするが。シリーズ完結。第3弾。書き下ろし。

著者等紹介

河治和香[カワジワカ]
東京都葛飾区柴又生まれ。日本大学芸術学部卒業。日本映画監督協会に勤めるかたわら、江戸風俗研究家の三谷一馬氏に師事して、江戸風俗を学ぶ。『秋の金魚』で第2回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。2作目となる『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

63
豪華絢爛たる男達がお玉の体と心を駆け抜けるように時代が変わっていく幕末。好きだった男が、好きだった男に殺され・・柳橋芸者である矜持はどこに失ったか抜け殻のようになって男と交わるお玉。創作にしろあれほど嫌っていた幕末を・・人物を検索しながら読めた事に感謝です。最後に兼太郎がお玉に女房になれよ・・って言うところでとても嬉しくなった。この本の内容とは外れるだろうが、河治さんがご主人を亡くされて、鬱々とした気持ちが凄くよく表現されいたのが痛々しくて。そうよお玉のようにまた良い人を見つけてねって応援したくなりました2018/05/31

絳楸蘭

19
こうしてお玉さんの目を通して幕末を見ると本当に短期間で色々なことが起きて、変化していなくなった人が多いことがわかる。男の最期を聞く女の気持ちなんて知らないまま旅立っていく男たちの勝手さと女の強さに涙が出る。2014/05/17

真理そら

8
相変わらず有名人や重要な事件てんこもりだけれど、幕末を芸者玉勇の視点で描くことで、身近ではあっても当事者ではないという傍観者的な記述になっているのが珍しい。龍馬が死んだことで悲しんでいる玉勇が気の強い恋女房おりょうのことを聞かされてびっくりする場面なども効果的。お赫さんの後を継いで村雨亭を切り盛りする玉勇は明治の代も「…ええ、ま…どうでもよいわいな」と唄いながら柳橋で逞しく生きていくだろう。策略を練っても流されても結局なるようにしかならなかったのだし。2017/12/21

ちばっち

8
シリーズ最終巻。相変わらず豪華絢爛っていうかオールスターな登場人物たちでした。途中お玉さんが腐ってしまってとても残念でした。見栄を張って粋にシャンとしている玉勇姐さんが見たかったのに…。そして兼さんが格好良い!体を張って江戸を守る姿に感動しました。ちなみに千人信心、あと何人残ってるんだろう?2016/10/06

さとみん

6
有名人てんこ盛りのシリーズですが、玉勇姐さんの視点で描かれた彼らの姿は新鮮でした。男ってずるいなあと思わされたり、その不自由な生き方に苦笑いしたり。別の意味で女もずるくて、不自由な生き物なんですけどね。ともあれ、幕末から明治へと変わる江戸の町の空気を堪能させてもらいました。2012/02/01

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