出版社内容情報
あの青年たちを見送ってから、二十年たって、この本ができた――
大戦末期に陸軍報道班員として知覧の出撃の現場を目撃した高木俊朗は、戦後、元隊員、親と子、同胞たちを取材し続けた。南洋に面したこの基地で、彼らは何を想い飛び立ったのか?俗説が氾濫する「特攻」の、知られざる証言を掬いあげる戦争ノンフィクションの白眉、当時の取材写真と新規解説を増補した決定版。
文庫版解説(本書に再録)・入江徳郎
新書版解説・大木 毅
※本書は、1965年9月に『知覧』として発表され、73年7月に角川文庫化された作品を新書化したものです。
◆食糧難の中、隊員たちに無償で食事をふるまった富屋食堂と鳥浜とめの素顔
◆八月十五日、司令部で隊員は出撃を申し出、高級参謀は軍司令官に特攻を求めた
◆老朽機が過半で故障と事故が頻発していた
【目次】
悲愁の桜
女学生の日記
孤独のいのち
十六年目の手紙
暴力制裁
不慮死
ひとすじの愛
花流し
神州亡滅の日
この母と子
空に消えた顔
残された者
花束
史実と事実
春はめぐれど
あとがき
角川文庫版あとがき
文庫版解説 入江徳郎
新書版解説 大木 毅
【目次】
悲愁の桜
女学生の日記
孤独のいのち
十六年目の手紙
暴力制裁
不慮死
ひとすじの愛
花流し
神州亡滅の日
この母と子
空に消えた顔
残された者
花束
史実と事実
春はめぐれど
あとがき
角川文庫版あとがき
文庫版解説 入江徳郎
新書版解説 大木 毅
内容説明
証言者は少なくなり、俗説が氾濫する特攻作戦。その出撃の現場を陸軍報道班員として目撃し、戦後は元隊員、家族、同胞たちの声を記録した戦争ノンフィクションの白眉、待望の新版。頻発する故障と事故、生還者に強いられた無謀な出撃、将官たちの無責任、女性たちが生きた過酷な占領期…声なき声を拾い、知られざる内幕を照らす。当時の取材写真を増補、入江徳郎氏の解説も再録。
目次
悲愁の桜
女学生の日記
孤独のいのち
十六年目の手紙
暴力制裁
不慮死
ひとすじの愛
花流し
神州亡滅の日
この母と子
空に消えた顔
残された者
花束
史実と事実
春はめぐれど
著者等紹介
高木俊朗[タカギトシロウ]
1908年、東京生まれ。ノンフィクション作家・映画監督。早稲田大学政治経済学部卒業後、松竹に入社。陸軍報道班員として中国大陸からマレーシア、インドネシアなどを巡り、大戦末期には鹿児島の知覧の基地で航空隊員たちと共に過ごす。戦後、自らの従軍体験をもとに鋭い視点で戦争の内実を描く作品を多数発表した。75年、『陸軍特別攻撃隊』(全3巻、文藝春秋)で菊池寛賞を受賞。98年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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