出版社内容情報
尖閣から日本漁船が消える日。
最前線では毎日なにが起きているのか?
漁業から日中台の国境紛争の現実が見える。
現地調査を続ける漁業経済学者による、渾身の論考!
漁業は国際情勢を映し出す鏡だ。
尖閣諸島での「唯一の経済活動」、それが漁業である。
海の上に線は引けない。漁業活動は食糧安全保障に直結しているばかりか国土維持活動ともなっている。
日本の排他的経済水域(EEZ)は世界有数とされているが、実は東シナ海では関係国と相互承認している日本のEEZはほとんどない。
東シナ海だけではない。日本海でも、オホーツク海でも水域の画定はされていないのだ。
尖閣諸島水域を中心に東シナ海の操業は中国、台湾に席巻されてままならず、そもそもインドネシア人に日本の漁業界は既に人材も依存してしまっている。
なぜ危機的な状況に陥ったのか? 日々の食卓の裏にある国境産業の現実を赤裸々に描く!
■国境産業は国家の化粧、国力を測るリトマス試験紙である
■日本漁船団は排他的経済水域すら失いかねない
■遠洋漁業は「流動的国土」。中国は遠洋強国となった
■日本は台湾に尖閣諸島の排他的経済水域を明け渡した
■東シナ海には二〇〇カイリ時代は到来しなかった
■外国人船員が国境の最前線に立っている
■外国人依存が日本漁業の思考停止を加速させた
■華僑・華人の漁業は南洋で拡大している
■日本漁業国有化論という問題提起
【目次】
まえがき 東シナ海での出会い
序章 日本の生命線
第一章 追いつめられる東シナ海漁業
第二章 東シナ海で増す中国・台湾の存在感
第三章 東シナ海に埋め込まれた時限爆弾
第四章 日本人が消える海
第五章 軍事化する海での漁業
終章 日本漁業国有化論
あとがき――さまよう小舟
主要参考文献
内容説明
漁業は「第三の海軍」である。尖閣諸島での“唯一の経済活動”、それが漁業だ。漁業活動は食料安全保障に直結しているばかりか国土維持活動ともなっている。東シナ海の操業は中国、台湾に席巻されてままならず、インドネシア人に日本の漁業界は既に人材も依存してしまっている。なぜそうなったのか?漁業から見える日中台の国境紛争の歴史と現実を、現地調査を続ける漁業経済学者が赤裸々に報告!
目次
序章 日本の生命線
第1章 追いつめられる東シナ海漁業
第2章 東シナ海で増す中国・台湾の存在感
第3章 東シナ海に埋め込まれた時限爆弾
第4章 日本人が消える海
第5章 軍事化する海での漁業
終章 日本漁業国有化論
著者等紹介
佐々木貴文[ササキタカフミ]
1979年三重県津市生まれ。漁業経済学者。2006年北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。鹿児島大学大学院水産学研究科准教授を経て、北海道大学大学院水産科学研究院准教授。農林水産省水産政策審議会委員。専門は漁業経済学・職業教育学・産業社会学。著作に『近代日本の水産教育―「国境」に立つ漁業者の養成』(北海道大学出版会、2018年、漁業経済学会学会賞・日本職業教育学会学会賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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