内容説明
なぜ米中は衝突するのか?なぜテロは終わらないのか?国際情勢の裏側に横たわるキリスト教文明、中国儒教文明など四大文明について、当代随一の社会学者が4行にモデル化。その違いを知るだけで、世界の歴史問題から最新ニュースまでが読み解ける!
目次
第1部 万能カギとしての「4行モデル」(世界はどのように多元的なのか;4行でわかる、キリスト教世界;4行でわかる、イスラム教世界;4行でわかる、ヒンドゥー教世界;4行でわかる、儒教世界;4行でわかる、日本社会)
第2部 「4行モデル」で国際社会を読み解く(米中衝突の深層;イスラムvs西欧 解けない歴史問題;インド:巨大な謎;中国と日本の本質)
著者等紹介
橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。社会学者。東京工業大学名誉教授。大学院大学至善館教授。77年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。89~2013年東京工業大学に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南北
57
キリスト教世界・イスラム教世界・ヒンドゥー教世界・儒教世界・日本社会をわずか4行のモデルで読み解こうとした本です。日本社会以外は自分も相手も自己主張することが前提ですが、日本社会だけは異なっていて、具体例を読んでいて、思い当たる節が多くて笑ってしまいました。後半は4行モデルで米中対立・イスラム世界と西欧・インド世界・日本と中国などを分析していますが、それぞれの行動パターンがわかりやすく解説されています。こうしたモデル化によって世界を見たり、考える契機にしたいと思います。2019/12/09
Kentaro
46
イスラムは、ナショナリズムを経由せず、はじめからユニバーサリズムである。イスラム教は、ユダヤ教、キリスト教に対して寛容である。イスラム教は、この二つの宗教を「啓典の宗教」、すなわち神アッラーに従う人びとの宗教と見なし、信仰の自由を保証する。イスラム世界のなかに、ユダヤ教のコミュニティ、キリスト教のコミュニティが存在してよい。ユダヤ教徒同士、キリスト教徒同士の紛争は、彼らの法律で解決する。 そして、ユダヤ教徒とイスラム教徒、キリスト教徒とイスラム教徒の紛争は、イスラム法によって決着することになる。でも。。。2020/04/12
ゆきらぱ
33
世界の人々の行動様式として ①まず、自己主張する ②相手も、自己主張している ③このままだと紛争になる ④◯◯があるので、解決する この◯◯が各世界ちがうのだが(例えば法律、イスラム法など)日本社会だけは違う。 ①自己主張する前に、まず相手の様子を見る ②相手も、同じことをしている ③このままでは、何も決まらない ④そこで、みなで話し合って、決める となる。という主張のもと日本社会を紐解く。相当に日本の社会の基本的ルールは難しい。2019/11/28
こも 旧柏バカ一代
32
何という分かり易さ。根幹部分の解説だから単純にしたのだろうが、、法律のキリスト教、イスラム法のイスラム教、カースト制で細分化されてるヒンドゥー教、順番の儒教。イスラム教とキリスト教の国家のあり方の違い。インドのカースト制による鈍感力。なかなかに面白かった、、後、橋爪さんの文書は師匠の小室直樹氏と似てると気が付いた。テンポが凄く似てるように思える。2020/05/27
ナマアタタカイカタタタキキ
31
とてもわかりやすい。“4行モデル”と謳いつつ、例外的に当てはまらなかったり後から補完しなければいけなかったりするケースがやたらと多いのには、若干裏切られたような気にはなるが、それでもここまで単純化されていると、決して自国の価値観のみでは計れないそれぞれの行動原理も、現実に起こっている問題の実態も、これまでよりクリアに見えてくる。日本の独自性についてはかなり辛辣な書き方ではあるが、この仕組みは随分根深いものだと理解する。これ一冊で全てが読み解けるようになることは流石になくとも、大いなる手掛かりにはなりそう。2020/04/18