出版社内容情報
中野 晃一[ナカノ コウイチ]
著・文・その他
内容説明
主権者である国民を服従させることをもって政治と考える権力者が、グローバル社会の中で主導権を持つようになっている。どのようにして「国家の私物化」が横行するようになったのか。現代日本政治、安倍政権に焦点を置いて論考していく。
目次
序章 安倍政権の復古性と現代性
第1章 支配と服従の連鎖としての保守反動政治
第2章 新自由主義的改革がもたらした国家の私物化
第3章 国益を損ないつづけるエア・ナショナリズム
第4章 メディア統制と「ポスト真実」の政治
第5章 国民を従えてアメリカに従うための安保法制
第6章 アンチ・リベラリズムの時代に
終章 リベラリズムは息を吹き返すか
著者等紹介
中野晃一[ナカノコウイチ]
1970年生まれ。東京大学文学部哲学科、英国オックスフォード大学哲学・政治コース卒業。米国プリンストン大学で博士号(政治学)を取得。上智大学国際教養学部教授。学部長。専門は比較政治学、日本政治、政治思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
34
超ウルトラ右翼であると同時に超自己責任主義の新自由主義政治が安倍政治だと思います。そうした政治が私物化されたとき、政治は堕落の階段を滑り落ち、国民生活が犠牲になります。保守と右翼は違うと思います。安倍政治は保守ではないのではないかと思いました。そして、アメリカにはただ追随して主体性を出すことができないのも、今日の北朝鮮問題をみても明らかです。それに対抗するのが立憲主義であり、市民運動なのだと思います。本著はそこまで言及はされていないですが、安倍政治の私物化を読み解く上では参考になると思います。2018/04/23
どら猫さとっち
6
森友・加計学園問題、9条改憲などで安倍政権は批判し続けているにも関わらず、何故真実を明らかにしないのか。また何故改憲にこだわり続けているのか。本書には、その理由や、自民党が目指していることが明らかにしている。このまま本書が書かれていることが実現すれば、この国は破滅に向かいかねない。この国の未来を変えるには、本書が有力な手がかりになるはずだ。2018/03/24
てながあしなが
5
最近も入管法改正や水道法改正があり、ますます私物化感が増している現政権。自民党の党鋼が徐々に変質し今や真逆のものになっているという話や、新自由主義改革が推し進められた結果政治主導が歪められ、総理大臣の権力が肥大化したという指摘や、もはや政権が株式会社化しているという指摘が興味深かった。2019/03/04
mago 6y
4
安倍政権の本質を知る上で非常に参考になった。2018/03/29
WaterDragon
4
「もはや自由民主主義を当然視するようになった先進諸国の人びとは、しかし『デモクラシー』の内実の不十分さや空洞化に幻滅し、ともすれば自由や人権、民主主義などの理念に血沸き肉躍るような高揚と希望を感じることができずに足がすくんでしまい、その結果、デモクラシーを単なる『きれいごと』とあざけり笑うようなアンチ・リベラルの声ばかりが大きく響く『デモクラシー以後』の時代が到来しかねない」 〝ポスト真実〟がはたした役割2018/03/31