角川新書<br> したたかな魚たち

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角川新書
したたかな魚たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784040820545
  • NDC分類 487.51
  • Cコード C0245

出版社内容情報

大人になれるのは1%未満! 生きるためならなんでもありのギョーテン生活60度傾いて泳ぐ、目が頭の上を移動、子育ては口の中で……これ、すべて本当にいる魚の話。行動の理由はただ一つ、生き残って子孫を残すため! 必死でけなげ、でもどこかユーモラスな生き残り作戦を紹介します。

第1章  想像をはるかに超える魚たちの多様性
そもそも魚とは?
続々と見つかっている魚の新種
 ミステリーサークルを作るフグを発見!
変化に富む魚の形
 富士山くらい大きな人?/泳ぎの下手な「箱入り」魚/リュウグウノツカイは人魚伝説
 のモデル?/奇妙なマンボウ/目が頭の上を移動!/T字頭のサメ

第2章  魚は陸から離れられない
地球上のどこに魚はいるのか
極限環境にすむたくましい魚
 泥干潟の上をはいまわる/氷の海にすむ魚/深海にすむ魚
おどろきの居候生活
 命を失うこともあるガードマン/イソギンチャクはマイホームであり保育園

第3章  そのけなげさが愛しい魚の暮らし
移動あれこれ
 魚は時速10kmで泳げるのか/浮力の調節/空飛ぶ魚/ロック・クライミングの名人/
 無賃乗車/魚は止まると死んでしまう?/体が温かい魚/逆さまになったり、逆立ちしたり
 /60度傾いて泳ぐ魚
あれもこれも丸のみで食べる
 口は強力なバキューム装置/頭蓋骨の上を滑る顎/恐ろしい口裂け魚/のどの奥に歯
 がある!/次々生えるベルトコンベアのようなサメの歯
必死さがにじむ狩り
 獲物は鼻で探す/優れもののヒゲ/「足」で味わう/顔にある電気センサーでエサを感 
 知!/群れで襲う魚/尾ビレでひっぱたいてノックアウト/サメは白目をむいて攻撃す
 る/ひたすら待ち伏せ攻撃/マイルアーで魚釣りをする魚/あの手この手でだまし討ち
グルメな魚、ゲテモノ食いの魚
 ひっくり返してウニを襲え!/サンゴ礁はブダイの排泄物におおわれている…/リンゴ
 の皮をむくようにクラゲを食べる/畑でコツコツ自家栽培/棚からボタモチ/おいしい
 の? 鱗を食べる魚/寄生虫を食べる掃除屋さん

第4章  どこかおかしな生き残り戦術
 ヘビになります/身を隠す忍術使い/見事なカモフラージュ/頭隠して尻隠さず/ス
 イッチを入れたように体色を変える/市場のエイに尾がない理由/深海魚の発光作戦

第5章  魚の恋と子育て
 同時にオスになり、メスになるハムレット/レムを作る魚たち/メスのコブはオスのなれの
 果て/3億個の卵を産む!/浜に乗り上げて産卵/口の中で子育て/子宮の中で共食い
 するサメ/オスが子供を産む魚/ペニスを使って交尾

第6章  旅する魚たち
 故郷にもどるサケ/80年の歳月をかけたウナギの産卵場探し/稚魚の大冒険/死への旅
 路

終章  人間と魚の深い関係
 魚が食卓から消える日/サメより犬や蚊の方がこわい?

松浦啓一[マツウラケイイチ]
1948年東京都生まれ。国立科学博物館名誉研究員。東京水産大学(当時)卒業後、北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了。博士(水産学)。その後、国立科学博物館へ。在職中、同博物館動物研究部部長、東京大学大学院理学系研究科教授、日本魚類学会長などを歴任。現在、地球規模生物多様性情報機構の理事などを務める。魚類の分類、系統、動物地理、生態、データベースが専門。世界中の海でフィールドワークも積極的に行う。

内容説明

60度傾いて泳ぐ、♂→♀、♀→♂と自在に性転換、目が頭の上を移動、子育ては口の中で…これ、すべて本当にいる魚の話。行動の理由はただ一つ、生き残って子孫を残すため!大人になれるのは1%未満なのです。必死でけなげ、でもどこかユーモラスな魚たちの生き残り作戦を紹介します。

目次

第1章 想像をはるかに超える魚たちの多様性
第2章 魚は陸から離れられない
第3章 そのけなげさが愛しい魚の暮らし
第4章 どこかおかしな生き残り戦術
第5章 魚の恋と子育て
第6章 旅する魚たち
終章 人間と魚の深い関係

著者等紹介

松浦啓一[マツウラケイイチ]
1948年東京生まれ。水産学博士。国立科学博物館名誉研究員。東京水産大学水産学部増殖学科卒、北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了。79年国立科学博物館動物研究部研究官となり、室長、動物研究部長などを務める。2013年定年退職。在職中、東京大学大学院理学系研究科助教授、同教授を兼任した。また日本魚類学会会長、日本分類学会連合代表、地球規模生物多様性情報機構(GBIF)副議長などを歴任し、海の生物の生態を追いかけるとともに、海の環境についても言及してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

67
この本の目的は変化に富む魚の世界を紹介するとあとがきにあった。それ以上に魚という生物の多様性と浅海から深海、暖かい海から冷たい海他生息地の環境に適応することを知る。多くの魚が紹介されていたが初めて聞いた名前や習性も載っていた。新書なので浅く広くは避けられないがそれなりに楽しめた。ニシオンデンザメという魚は冷たい海に住んで150歳で成熟し400歳以上生きるとも書かれていた。徳川幕府が始まった頃から生きているそうだ。人のスケールで考えてはいけないのが人以外の生物だと感じた。 2017/03/30

ホークス

39
魚の生態が色々載っている。2017年刊で情報も新し目。アンコウみたいな竿と疑似餌で獲物を誘うヒラメがいる。同じ底生で待ち伏せ型ではあるが、初めて見た。ヘラヤガラは奇襲型で、藻食性のブダイに寄り添って泳ぎ、獲物を見つけるといきなり飛び出す作戦。魚の寄生虫を食べる「掃除屋」ホンソメワケベラと、見た目そっくりでお客のヒレを喰い千切るニセクロスジギンポ。この擬態は目下研究中で、地域によってお客が騙される率が違うらしい。ホウボウは胸ビレのスジで「歩く」が、このスジには味蕾があると言う。やっぱり魚の話は楽しい。2019/05/16

Yuuki.

22
広く浅く様々な魚の様々な生態を紹介してあり、NHKの変な生き物を紹介するバラエティ番組を活字にしたようなノリ。NHKの真面目な動物もの程かたくなく、民放の動物バラエティほど軽くない・・・と言いたい(笑)一つ一つのトピックについては浅いけれど、一般人には十分「へ〜」と思える内容が多くて物足りなさは全く感じなかった。フエカワムキについて、もっと研究が進んで欲しいなぁ。この本で初めて存在を知った魚だが、コイツ、とっても気になる( *´▽`*)2017/05/29

Tomomi Yazaki

20
日本には、全魚類の13%の種類の魚がいるそうです。これは日本列島が縦長で、流氷と熱帯のサンゴ礁が存在し、これほど変化に富んでいるからで、日本人は意識していませんが、世界でも稀な国だそうです。でもまだまだ世界には未発見の種は5000以上いるようで、計算上は全て発見するのに40年以上かかるとのこと。ここに紹介されている魚たちは、その中のほんの一部。でもその個性的な生態や形態を知ると、魚好きじゃなくとも驚かされ、そして魅了されます。そんな魚たちを分り易く説く本書は、子供から大人まで楽しめる、プチお魚入門書です。2020/07/27

ひとえ

6
広く浅く、多様な魚の生態を知るのに良い本。こうした本を契機に各専門書に手が伸びることを期待2017/04/09

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