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出版社内容情報
柳実 冬貴[ヤナギミ トウキ]
著・文・その他
岩本 ゼロゴ[イワモト ゼロゴ]
イラスト
内容説明
十年前、世界は滅んだ。太陽の消失と、救世の英雄の暴走という悲劇の連鎖の果て、人類の歴史は闇に包まれる。故国を失った騎士イグルーは、闇に呑まれた城跡で主君の帰還を待ちわびていた。かつて最強と謳われた騎士の誇りを胸に、民無き国を守り続けるイグルーの前に、一人の少女が現れる。王女フレイリア。その少女は、今なおイグルーが忠誠を捧げる主君―の偽物だった。とある悲願を胸に秘め、王女を演じる彼女は、祖国復興のためと嘯きイグルーに英雄討伐を命じる。絶対の守護を欲する少女と、護るべきものを求める少年。二つの願いが重なる時、その“嘘”は世界の運命すらも覆す―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
39
太陽の消失と救世の英雄の暴走という悲劇の連鎖の果て、闇に包まれた世界。民無き国を守り続ける最後の騎士イグルーと、とある悲願を胸に秘め王女を演じるイオリアが運命の出会いを果たすダークファンタジー。闇に呑まれた城跡で主君の帰還を待ちわびていたイグルーに王女フレイリアと名乗り、祖国復興のために英雄討伐を命じるイオリア。一癖ある存在ばかりの常軌を逸した個人たちを使って、英雄を討伐しようとする女帝セレスの思惑とイオリアとの因縁、激闘の末に苦い過去に決着をつけたイオリアの覚悟の先に何があるのか、期待の新シリーズです。2022/08/21
まっさん
29
★★★★★ 本当に素晴らしかった……発売直後に読めていたらこのラノ投票作に選んでいただろうなと思わされる程の満足感を得る事が出来た今作。 物語は世界が滅び、太陽の消失と世界樹の喪失によって七英雄が暴走、闇に呑まれた生き物が濁人となって生者を貪り喰らう世界。忠誠を捧げる王女・フレイリアを待ち続け滅んだ国を一人護り続ける騎士・イグルーが出会ったのは一人の少女、フレイリア……の名を騙る常人・イオリアであった。誇りを胸に抱き主君への盲信を掲げる騎士と、絶対の守護を欲する為に偽りの王女を演じる少女が織り成すダーク→2022/10/05
オセロ
25
太陽の消滅により光が失われ、英雄達の暴走により混迷を極める世界。10年もの間、異形の怪物達から滅んだ母国を守り続ける騎士イグルーと、ある目的の為に辛い日々を送るイオリアが紡ぐダークファンタジー。 かつてイグルーが仕えた王女フレイリアを装うことでイグルーを従えることに成功し、英雄討伐に乗り出したたイオリア。狂気染みた人物達を集めて英雄討伐に乗り出した女帝セレス。 互いに秘めた因縁を抱える2人の激闘の末に、今までの自分と決別したイオリアの行く末とは。期待の新シリーズですね。2022/08/22
のれん
20
終末世界のダークファンタジー。 登場人物も多く、一堂に会するシーンはTRPGのプレイヤー集合を思わせる。それぞれのキャラを奇抜な点を印象付けていて、一部の人には大好物の設定がてんこ盛り。 また負の面を受け入れるという構造が多い中、今作は負の感情そのものが中心になる。 主役たちが反倫理的な欲望や欺瞞、劣等感を糧に立ち上がっている。否定したい、でもどうしたって自分を一番奮い立たせる熱い負の感情。 それを理解していた妹こそ正気なのかもしれない。 作者の長所が噛み合った作品。人は選ぶが是非続刊を期待する。2022/08/25
じお
13
★★★☆☆ 光奪戦争、太陽なき世界での唯一の光、世界樹の涙を巡った争いは、その世界樹の涙を取り込み力を得た七英雄の暴走によって終わり、樹葉歴から落葉歴へ変わった世界、亡国の王女・イオリアは落陽の騎士と出会った、売れ線なんて関係ねぇダークファンタジー第1巻。面白かったです、闇に染まった世界!蔓延る異形!魔人と化した英雄達!挑むは尋常ならざる狂気達!良いですねー、厨ニ心がくすぐられる設定の数々、滾るバトルシーン、濃ゆいキャラ達、そして作者が語るように得体の知れない情熱、→2023/12/21