出版社内容情報
道草 家守[ミチクサ ヤモリ]
著・文・その他
ゆきさめ[ユキサメ]
イラスト
内容説明
勤め先の先輩である瑠璃子が出奔してしまった―。折しも、口入れ屋・銀古の繁忙期。珠は瑠璃子の代わりに、秋桜の咲き乱れる洋館での勤めを任される。珠なりに洋館の“人ならざる者”に真贄に向き合い、縁を結んだことで洋裁を習うことに。銀市のシャツを仕立てながら彼を想い、しだいに乙女らしい感情も育んでいく。銀市も彼女の花開く姿を慈しむ一方、珠がいずれ自分の手を離れる予感と、只人として生きるには強すぎる彼女の贄の力を憂いていた。さらに、瑠璃子失踪の原因となった存在も珠にそそられ…?
著者等紹介
道草家守[ミチクサヤモリ]
2013年からWEBで小説投稿を開始し、2015年に作家デビュー。以来、繊細な描写で人気を博す、実力派作家。第2回富士見ノベル大賞にて審査員特別賞を改題・改稿のうえ上梓した「龍に恋う」シリーズ、『青薔薇アンティークの小公女』(富士見L文庫)など、著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はなりん
39
シリーズ第4弾。瑠璃子の巻。突然姿を消した瑠璃子の代わりにあるお屋敷に仕事に行く事になった珠。そこで絵画から抜け出したメイドのコスモスの君との交流はほっこりした。そのお屋敷の一族と瑠璃子の謎の失踪は繋がっていて、吸血鬼と過去と対峙する瑠璃子がかっこよかった。そして、珠の銀市への想いが徐々に育っていく様子と、銀市の珠への想いがなんだか切ない。贄の体質と龍の血が障害になりそうな匂わせがあるけど、2人には幸せになって欲しいなぁ。2022/08/28
dorimusi
36
4巻目。今回は瑠璃子の話し。瑠璃子はもっと引っ張るかと思ったけど普通に狂骨の次でした。今回も面白かったです。洋装とか舶来品がいっぱい出てきた巻でした。マンガだと珠の試着とか楽しめるんだろうけどね。 しかし珠の変化引っ張るな。。 ちょっと予想外だったのは瑠璃子はもっと昔から生きてるというか昔に妖怪になったのかと思ってた。100年経ったら尾が分かれるんじゃないのかと。2023/10/16
mariann
34
表紙の可愛さが!もうこれだけでもいい(笑) 今作は瑠璃子さんがメイン。江戸時代は今では遠い昔だけど大正期にしてみればまだまだ祖父や祖母の時代だったんだなぁ。西洋文化が一気に花開いた時代、輸入されてきたものはもちろんいいものだけではない。それにしても珠の成長!ついに怒りました(笑)言いたいことは胸にしまわず出してもいいんだよ。と言われたことを素直に実践していて人の感情が出てきました。逆に蓋をして奥にしまったのは銀市か。こちらはすべて解放しておしまいなさい♪ 手放したくない銀市はどうするんだろうか。2022/10/26
よっしー
26
少しずつ珠の活躍の場が広がり嬉しく思います。ただ、そのきっかけが瑠璃子さんの突然の退職、そして所在不明というまさかの事態に…。瑠璃子さんの行方を追いかけつつ、普段の仕事もこなしていたら、最後は見事に繋がり、無事に一件落着。珠も少しずつ銀市への思いが何か気が付きつつあるのかな。そばで見ていると、もう恋人というよりは夫婦なんですが、当人達が自覚するのはいつなのでしょう(笑2024/09/27
ミヤビ
26
4巻目。猫又の瑠璃子が銀古を退職し、瑠璃子の変わりのお仕事を珠がすることに。本作では初めて西洋ものが登場し、新たな雰囲気にワクワクしながら読みました。1巻から割とメインキャラである瑠璃子の成り立ちを知れてよかった。瑠璃子はもちろん、妖も人間も魅力溢れる方ばかりで読んでいて楽しい。人や妖との付き合い方を銀古で働くことで知り、感情が表に出るようになっていく珠が可愛くて涙が出そうになる。巻を追うごとに珠のことが大好きになっていく。そして新たに芽生えた想いがどう育っていくのか、とてもとても楽しみです。2022/05/18