富士見L文庫<br> 京都烏丸のいつもの焼き菓子―母に贈る酒粕フィナンシェ

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富士見L文庫
京都烏丸のいつもの焼き菓子―母に贈る酒粕フィナンシェ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784040738048
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

小さな焼き菓子屋「初」は、無愛想な青年菓子職人が営む和の食材を使った西洋菓子店だ。丁寧に作られた「初」のお菓子は食べるとちょっと心が満たされて――しんどくも愛おしい、豊かな日常とおいしいお菓子の物語。

内容説明

京都烏丸にある焼き菓子店「初」。バターと砂糖をたっぷり使った昔ながらの製法に和の食材を合わせた、一風変わったお菓子屋だ。感じ良くかわいらしい女性店員と、愛想のない青年の菓子職人が営んでいる。今日訪れたのは、京都で暮らすデザイナーの女性。仕事では成功しているけれど、実家の家族とはいまいちそりが合わない。けれど「初」のお菓子がきっかけで、ほんの少しだけ歩み寄れて…。平凡で、楽しいことも悲しいこともいつものように過ぎていく、豊かな日常の物語。日常の幸せを思い出す、お菓子をめぐる短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

167
美味しそうな表紙に惹かれて手に取ったが、思ったより重い内容だった。コンプレックスとか閉塞感とか人の内面がとても丁寧に描かれていて引き込まれた。「どこよりもなじみがあるのに、どこよりも居心地が悪い場所=実家」…なるほど、確かに。今いち上手くいかない両親との仲を取り持つ「初」のお菓子たち。ちょっとひねった素材のお菓子は得意じゃないけど「酒粕のフィナンシェ」は食べてみたい。お菓子ってやっぱり心の栄養なんだなーとしみじみでした。2020/11/07

machi☺︎︎゛

97
京都✖️焼き菓子、読まなくても分かる。好きなやつ。と思って読み始めたらお菓子は一味や生姜が入って意外とスパイシーなタイプ。焼き菓子屋「初」に来るお客さんが抱えた悩みも結構スパイスの効いているものが多くて予想外だけど面白かった。京都を少しだけ知ってる私が読んでも分かりやすく、あーだいたいあの辺ねー!みたいに描きやすかった。少し拗れてしまった関係もこんなお菓子があれば話のネタにもなるし関係修復にはピッタリだなと思った。2023/11/13

よっち

49
無愛想でしゅっとした菓子職人と可愛い店員さんが営む和の食材を使った京都の小さな焼き菓子屋「初」。丁寧に作られた心が満たされるお菓子を愛する人々の物語。自分らしく生きたいデザイナー、常連のドイツ人大学教員とその教え子、お店のお菓子に魅せられて京都にやってきた就活生、そして店長と店員さんと両親のこと。食べたくなるようなお菓子の描写も素敵ですが、誰もが素直になれない一面を抱えていて、そんな不器用な登場人物たちのはっとするような繊細な想いを巧みな視点で浮き彫りにして、導かれてゆく結末がとても印象に残る物語でした。2020/10/19

はるき

32
 焼き菓子店を舞台にした切ない連作集。甘い話を想像しがちですが、何とも切ない思いが交錯しています。誰にだって人のは言えない思いがあって、すれ違うだけの他人に縋りたい時もある。…大人だからしないけど。嫉妬や劣等感、そして喪失感と怒り。心理描写が巧みで引き込まれました。まだ既刊がすくない作家ですが、今後も追い掛けたい。2020/11/17

Kana

27
初読みの作家さん。京都烏丸にある焼菓子店「初」で可愛らしい女性店員さんとしゅっとしたイケメン店長がいる。心が温かくなる優しいお話。とにかく出てくる焼菓子が美味しそう。こんなお店があったら通いたい。2020/09/22

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