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出版社内容情報
記憶喪失の俺はなぜかクラスメイト、幼馴染、女友達の美少女三人から毎日アプローチを受けまくってる。男なら誰もが憧れるシチュエーションの日々、羨ましいだろ? ……この中に俺を殺そうとした子がいる以外は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
49
好きだから、好きな相手に嘘をつく。交通事故によって記憶喪失になった主人公『くー助』の前に現れた3名の美少女たち。クラスメイト、幼なじみ、友人を自称する彼女たちと過ごすうち、少しずつ記憶を取り戻し、やがて思い出したのはこの中の誰かが自分を殺そうとしたこと…。とても面白い。少しずつ思い出される主人公とヒロインたちの過去にハラハラし、最後に明らかになる事件の真相に打ちのめされました。好きが度を超して殺意へと向かう彼女の想いが、切なくそして苦しく描かれます。嘘にまみれたラブコメ+ミステリ、これは傑作です。2020/05/17
よっち
45
事故で記憶喪失となった少年にアプローチする三人の少女たち。けれど彼を殺そうとしたのは誰なのか。記憶を失う前に深い親交があった少女たちとの関係が明かされる青春ミステリ。クールでセクシーだけれどヤンデレ気味な同級生・色町、快活でアホ可愛い幼馴染・花屋敷、意外とおしゃべりで毒舌な女友達・雪縫。彼女たちはそれぞれが秘密を抱えていて、テンポのよい彼女たちとやりとりから少しずつ記憶が蘇って、複雑な想いが絡み合う先にあった真相は少しほろ苦かったですが、しっかりと真実を見極めた優しい彼の選択がなかなか印象的な物語でした。2020/04/20
まっさん
41
★★★★ ファンタジア文庫大賞金賞&橘公司賞受賞作品。物語の上辺だけ見ると、記憶喪失に陥った主人公の周りに美少女が集まりひたすらチヤホヤされるというよくある作品となっているが、そこにその中の誰かが自分の事を殺そうとしたというスパイスを加えることで、ラブコメ物に加えて犯人は誰なのかを推理したりする楽しみも得ることが出来る良作。主人公が徐々に記憶を取り戻していく過程を描くことで、少しずつ物語のピースがはまっていく様はとても好ましかった。個人的に雪縫が一番好き。ただ、あらすじや作中の合間合間で散々煽った割に→2020/05/03
しぇん
37
一昔前の富士見の尖った作品の痕跡を感じて懐かしい気分を味わえたりしました。サスペンス風ラブミステリー?続刊出せるのか色々疑問ですが、どう続くのか興味はあるので購入すると思います。ヒロインは個性つけられてますが、特に霙ちゃんが可愛かったです。2020/04/27
わたー
35
★★★★★第32回ファンタジア文庫大賞の金賞+橘公司賞受賞作。記憶喪失の少年と、記憶を失う前に彼と仲の良かったという3人の少女とのラブコメ。それだけだとただのテンプレなのだが、「少女のうちの誰かが自分を殺そうとした」という要素をスパイスとして入れているため、ミステリで云うところの、フーダニットも楽しめる内容になっていた。三者三様にクセの強い少女たちとの軽妙なやりとりと、その裏に隠された嘘の配分もまた絶妙。終わってみれば、誰かを選ぶということは、誰かを選ばないということなのだと強く印象づける恋の物語だった。2020/04/17