出版社内容情報
彼女は、やがて高き御位にのぼるだろう――
内容説明
母が死に、小玉、義姉の三娘、甥の丙、従卒として当然という顔をした清喜と四人での生活が始まった。そして、その家に頻繁に出入りする文林…。三娘は訝しむ。副官とはこんなに距離が近いものだろうか。小玉に好意を持っているようにしか見えない。そんな彼女の脳裏を、幼き日に告げられた予言が過る。「あの娘は高き御位にのぼるだろう。しかし、彼女を愛する四人の男によって不運へ進む」元許嫁を含め、四人の男はすでに現れている。では、この五人目の男はいったい―?
著者等紹介
雪村花菜[ユキムラカナ]
2014年、第二回富士見ラノベ文芸大賞にて、応募作『生生流転』が瑞々しい人物描写と軽妙な会話劇、緻密な舞台設定を高く評価され、金賞受賞。改題及び改稿した『紅霞後宮物語』で作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
73
シリーズ第14弾、最新作は外伝4巻目。最後の終わり方が物凄く悲しいですしピリッとした場面は勿論あるのですが、本編がシリアスな分久しぶりにこれぞ紅霞後宮物語!(というか雪村さん!)なコミカルさ、ゲラゲラ笑っちゃう感じをたっぷり楽しませて頂きました。初めて読んだ時もこれにすっかり参っちゃったんだよー!と思い出す筆致です♡文林即位まで行く!?と思ったけどそこまでは行かず。小玉の家族の裏話、まさかの清喜の恋バナ、小玉への予言など、外伝ならではの雰囲気を堪能できました。刊行ペースが落ちるのは悲しいけど応援してます!2019/11/19
あっか
67
本編1巻に近付いていくにつれ、知ってはいた別れが重なって辛いなあ…知っているからこそこの楽しい日々が益々切なく、もう最後は一気に鼻の奥がツーンとしました。清喜…(´;ω;`)話の流れ的には、服喪強制終了、一家で上京、文林清喜始め小玉の部下と小玉の家族との関わり、三娘の想いなどなど…最後、物凄く気になるところで終わったので(なぜそこにいる!?を主に、この奇襲は誰の差し金!?など)外伝の新刊も楽しみ。9巻の表紙、右が真桂で左が紅燕だと思ってたよ…両方とも全然違ったw2020/08/09
さくらさくら
38
『紅霞後宮物語』第零幕4です。個人的には第零幕シリーズの方が面白い。若かかりし日の小玉や文林、その他の登場人物も素敵。なんと言っても軍での小玉は生き生きして、物語に引き込まれる。『カクヨム』で既に読んでいた部分もあったがそれでも楽しめた。オススメです。2019/11/16
はなりん
36
0幕の方が面白い。本編はちょっと暗く重たくなってきたので。兄嫁が亡くなった事や、復卿の最期、本編では謎だった清喜の思い人などが明らかに。本編では当たり前で語られていない過去が、登場人物達と共有できたって感じです。0幕の続きが楽しみ!2020/02/01
よっち
34
母の喪に服するために実家に帰ってきた小玉。兄嫁とその息子に再会した彼女が、現れた元許婚から復縁を迫られたり、意外な展開を迎えてゆく前日譚第四弾。いろいろな行き違いがあった丙の残念なエピソードや、復縁を迫る元許婚、小玉の実家なのに馴染み過ぎな清喜や文林の誤解には苦笑いでしたけど、一方で幼馴染でもあった兄嫁の存在とか、そんな彼女が老婆から告げられた小玉の未来だったり、そういえばそんな設定があったなと読んで思い出した清喜のエピソードの切ない結末とかもあったりで、終わってみれば少ししんみりとした気分になりました。2019/11/14