出版社内容情報
仏さまの教えと精進料理が、「さよなら」の涙に寄り添います。
内容説明
退職したばかりの元営業・空也は、精進料亭“あじさい亭”で雇ってもらうために鎌倉へやって来た。しかし店主である僧侶・蓮沼竜玄は拒否!ついには、椎茸干しに集中して相づちさえされなくなる。取り繕った理由を話していた空也も、つい言わないつもりだった、この店でなければいけない本当の理由を口にしてしまう。「このまえ大好きだったばあちゃんが死んだ。堪らなくて、なのに出てきた精進料理が旨くて。味は違うのにばあちゃんの味を思い出した―」空也の独白に竜玄は…?
著者等紹介
遠藤遼[エンドウリョウ]
東京都生まれ。読み応えあるストーリー展開と、人間味あふれる登場人物たちのかけあいで、多くの読者を魅了する物語を描くストーリーテラー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
59
いいお話だし精進料理の良さや仏教のことばの普遍性も伝わってくる。それだけにちょこっとしたBLめいたふるまいはいらないな~と思ってしまった。2019/07/29
よっしー
16
お寺でご飯を作る人の話かと思っていたので、そっちか~となりました。本物の僧侶が作る精進料理のお店となると、敷居が高そうな印象ですが…行ってみたいですね。料理の中に籠められた仏教の教え。中々触れる機会もないので、新鮮で楽しく読めました。心が疲れた時に救ってくれそうな何かがあるように感じました。竜玄と空也のコンビも良い味してますね。押し掛けた人間をこうも大切にしてくれる竜玄にもビックリでした。2022/05/04
なな
15
精進料理に纏わるストーリーで好みの内容なのですが、空也と龍玄がちょいちょいBLな雰囲気になるのが残念でした。最終話が一番お気に入りです。鎌倉散策に行きたくなりました。きちんとした精進料理を食べたことがないので、味わってみたいです。2019/08/11
あずとも
9
美しい紫陽花と精進料理と仏さまの教えのお話。人との別れに寄り添うやさしい言葉がじわ~っと滲みてくる。2019/07/15
へへろ~本舗
7
料理の竜玄と話の空也、二人はとってもお似合いという感想を菜々ちゃんからもらって真っ赤になる二人。ところでちょろっと出てきた井上さんちの法要のお膳は結局どうしたんだろ?気になってしまった。清冽な水のような美青年の竜玄とちょっぴり童顔のイケメン空也、ニアです。ご馳走様でした。2019/08/10