出版社内容情報
一風変わった探偵・喰加味に騙され、探偵の助手となった優。彼の目の前で喰加味は毎回依頼人に握手を求めるが、それは妖怪である彼が人間の悪意を食べるための儀式だった!凸凹コンビが謎解く怪奇ミステリー!
内容説明
「なんてこった!」騙されやすい大学生・白浜優は愕然としていた。上京早々、飄々とした探偵・喰加味に騙され、助手となったのだ。急須とティーカップで牛乳を飲み、やたら寒がりで、何より人を「餌」と呼ぶ。風変わりな喰加味は、実は妖怪・獏。「僕はグルメなんだ」と誇らしそうな彼は、依頼人を餌としていたのだ。ある理由で妖怪に疑心を抱いていた優。舞い込む事件は噛み合わない二人が揃うと、何故か面倒な事ばかり引き寄せてしまい―!?詐欺師のような怪異探偵と、正直すぎる青年の怪奇事件簿!
著者等紹介
半田畔[ハンダホトリ]
1993年生まれ、神奈川県出身。2015年第三回富士見ラノベ文芸大賞にて応募作『風見夜子の死体見聞』の軽快な会話劇が評価され、満場一致の金賞受賞。デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あゆみ
17
★★★★☆ 表紙とタイトルに惹かれて購入。騙されやすい大学生の優と、妖怪の獏で人の悪意が「餌」の詐欺師のような怪異探偵の喰加味のコンビによる怪奇事件簿。一人称が僕、急須とティーカップで牛乳を飲む、寒がり、悪意が絡む依頼しか受けない探偵、という喰加味のキャラは個性的。現実はいつだって身も蓋もなくて、どこまでも灰色で全てのことに白黒はっきりつくわけではないというのは分かっていても、罪になることをした人はちゃんと裁かれるべきという優の考えに賛成。2019/04/22
にゃうぴょん
10
面白かったです。騙されやすい大学生白浜君と人の悪意を食べる獏である喰加味さんのやりとりがいいです。彼等の活躍がまた見たいです。2019/10/31
イシカミハサミ
8
探偵モノなので、 1話完結にはなっているけれど、 しっかり一本のストーリーが通っていて 十全に楽しめる1冊。 悪意。 こういう感情を料理してくれる作家さんは ありがたい存在です。2021/04/18
半熟タマゴ
5
悪夢ではなく悪意を食べる貘と騙されやすく正直者の青年が妖怪絡みの事件を解き明かしていく話。最初は人間のこと餌としか思ってなかった喰加味さんが優と一緒に過ごしていくうちに少しずつ気持ちが変化していくところがよかった。もう少し続きも読んでみたいけど1巻完結かな。2020/09/28
なぎ
5
人の感情を食べる妖怪・貘である喰加味と正直でお人好しな大学生・優がメイン。2人のコンビっぷりが好みでした。喰加味の友人である余丁によって2人の仲が試された第4章では、人間は餌でしかなかった喰加味が「人間は餌になるばかりじゃない。こうやって信じ、託すことだってできるんだ」といった場面が印象的でした。喰加味の変化に気付いた優も凄い。悪意が大好きな喰加味が選んだ事件なだけあって後味が悪いものが多かった。第2章のかまいたちはその後が幸せそうで一安心。優の母親がついた嘘は優の心を守る為の優しい嘘だなと思いました。 2019/05/11