出版社内容情報
限界集落に迫る、亡者の群れ。迎え撃つ住民の平均年齢、70歳以上!死んだ人間がみな亡者『留人』となる世界。ある限界集落に、留人の群れが押し寄せる。孤立無援の状況の中、対留人のスペシャリスト恐山を筆頭に、老人たちの命がけの戦いが幕を開ける!
ロッキン神経痛[ロッキンシンケイツウ]
著・文・その他
六七質[ムナシチ]
イラスト
かんくろう[カンクロウ]
イラスト
内容説明
限界集落、木帰町。かつて世界を滅亡のふちに追いやった大災厄、その記憶を持つ老人が身を寄せ合う町に「留人」が現れた。人間の血肉を求める亡者の出現に人々は揺れたが、彼らには対留人のスペシャリスト・恐山がいた。しかし、彼らは知らなかった。無数の留人の群れが、まさに暗い森の中を集落に向かって蠢いていたことに―死者がみな留人となる過酷な世界で、自らの尊厳と生き様をかけ戦う老人たちの姿がここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)
10
★★★ 6 設定は素晴らしいと思う。限界集落に現れる羆という現実のシチュエーションにゾンビパニックを組み合わせるという設定は秀逸。ゾンビ達に立ち向かう老人達はとても格好いい。短めな物語であったため急展開しすぎるように見えた。まるで映画のようだった。2018/10/10
えも
9
地域活性化小説?▼ではなかった。未来の日本。そこでは人は死ぬとゾンビのような存在になり、人を襲うようになる。その大量発生と闘う限界集落の老人たちと一人の少年▼小野不由美の「屍鬼」みたいなテイストでしたが、わりとアッサリと終わっちゃった感。2021/04/01
イカまりこ
6
読みたいリストに入れてたゾンビ物。ツイッターのスペース(ホラー特集)で取り上げられて、すぐ読もう!と思い立った。面白かった~。小説にはこれくらい、ぶっ飛んだモノを望んでるんだなと思えた。いや、ストーリー的には王道かもしれない。群れで襲ってくるゾンビに人々が立ち向かう安心の筋書き。でも現実にこれできる人っているのかな?って。某、話題本では生きるためにもがく善意の登場人物がいなくて、モヤッとしていたのだ。この本には自分の役割をしっかり全うする人がいっぱいで、狡い人間がいなくて、小説を楽しんだ感が凄いあった。2022/11/15
文太
3
死んだあとに甦り、人間の血肉を求める留人となってしまう世界。おくりびとと呼ばれる対留人のスペシャリスト。おくりびとをしている恐山が暮らす限界集落、木帰町。そこを留人の群れが襲う。パワフルな老人たちと留人の攻防。普通のゾンビものとは一味違っておもしろい。「生まれてしまった以上は、生きなければならないのだから」という、逞しく日常を過ごす姿勢は見習いたい。2019/12/17
nd
2
人が死すとあたかもゾンビのように蘇り、あたかもゾンビのように他者を攻撃する「留人」になってしまう世界。死者を、留人を、脳を破壊することで人に戻す「送り人」である老人・恐山のもとに孫が家出してきた。そしてそれは、これから始まる未曾有の危機の予兆に過ぎなかった……というあらすじ。いかにもホラーゲームのプロットという感じ。限界集落で日本家屋で死者が蘇ってホラーとか聞くと某赤い水だし、大体合ってる。ヒトの三大欲求である「かっこいい老人を見たい欲」は充足できるので、その点はおすすめできる。2017/12/29