出版社内容情報
喜咲冬子[キサキトウコ]
著・文・その他
伊藤 明十[イトウ アキト]
イラスト
内容説明
スウェンが黎明国女王に即位し8年。時代は姉妹が荒野を駆け抜けた動乱期から、妹ルシェの一人娘・イーリアと、その姉として育てられた前十娘・エジカが生きる再生期へと移り変わりつつあった。初代女王を思わせる鮮やかな花の痣と、幼いながら叔父のキナンを超える星読の才能を持つイーリア。その傍らでエジカは、自らが国の荒廃を招いた前女王の忌むべき血を引くことに悩んでいた。新しい時代に生きる二人の王女が歩む、自らの人生とは―?祈りと共に国を統べる娘たちの大河ロマン、堂々の完結。
著者等紹介
喜咲冬子[キサキトウコ]
2015年、第三回富士見ラノベ文芸大賞にて『黎明国花伝 星読の姉妹』(受賞後改題改稿)が、緻密な世界観設定と対照的な姉妹の生き様を鮮やかに描き、審査員特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nono
15
図書館本。シリーズ完結。前作で助け出されたエジカの物語。前女王の血を引くことに悩み、妹分のイーリアとの差にも引け目を感じる彼女が、遂には⁉この国に居どころが無いと感じ斎女として世を捨てようと思い詰めるエジカを中心に、女王やルシェ、エルダ、ディノ等、前政から移り変わる黎明国の治世の物語を堪能。悪政を倒し、人々の生活を支え未来を夢見る女性達に圧倒されながら、優しい眼差しで他者を見つめる彼女達の生きざまをもっと読みたいとしみじみ思いながら楽しく読了。2018/04/20
さとみん
4
荒削りではあるけれど、いろんな面で甘さ控えめな所が好きだった。エジカの葛藤はあの姉妹には分からないだろうし、二人の思いもエジカには届いていない。そんなすれ違いから始まって、きれいにまとめてくれた完結編に満足。2017/08/18
史
2
ある時代の、強かなる王家の物語。例え頂きに立つ者たちとはいえ、悩み、嘆き戸惑い、しかしそれでいて家族を思う気持ちは変わらず。2021/09/03
Miki Shimizu
2
最新刊。と、いいつつ、本棚でだいぶあっためてしもたけど。笑。前巻で最期に迎え入れられた妹が、成長して、いろいろ複雑な気持ちを抱えつつ、生きてる。エジカの成長と脱皮の物語。2017/11/07
isfahan
2
倭の五王時代の日本に、卑弥呼や冊封体制といった歴史モチーフを絡めた架空歴史小説の最終巻。大陸国家が舞台になったりして、そちらの雰囲気も描かれていたりと、おもしろかった。祝福されない血統を持った姫の救済と成長がテーマで、大きなイベントも起きることは起きるのだが、あまり詳しく語られない。ちょっと外伝、追補編的要素が大きい巻なのかもと感じた。しかし、相変わらず会話文の格調の高さやかっこよさはすばらしい。このシリーズはこれで終わりということだけど、引き続き新巻を楽しみにしたい作家さんである。2017/08/14