出版社内容情報
わたしが出会った双子の兄弟は、あやかしのお医者さんでした。肝試しを境に居なくなってしまった弟を捜すため、速水莉莉は不思議な事件を解くという噂を頼ってある雑居ビルへやって来た。彼女を迎えたのは双子の兄弟。不機嫌な兄の桜木晴と、弟の嵐は陽気だけれど幽霊で……!?
椎名 蓮月[シイナ レンゲツ]
独特な和風ファンタジーの世界観と、人物たちの日常に寄り添うドラマ展開を描き出す、実力派作家。1作1もふを心がける。代表作に『遠鳴堂あやかし事件帖』シリーズ、『九十九さん家のあやかし事情』シリーズ(ともに富士見L文庫)などがある。
新井 テル子[アライ テルコ]
内容説明
ある夏の終わり。高校生の少女速水莉莉は、肝試しを境に消えた弟を探すため、不思議な事件を解決する者がいるという雑居ビルへやって来た。そこで出会ったのは桜木晴という不機嫌そうな男と、彼と同じ顔で明るく振る舞う嵐の双子の兄弟。なんと彼らは人ならざる者“あやかし”を癒して鎮める『お医者さん』なのだという。そして莉莉の弟の行方もまた、怪我をしたばけねこが起こす怪奇に関係しているとのことで…?傷ついたあやかしを治し、その伏せられた想いを繋ぐ。優しい少女と不思議な双子の心温まる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
61
女子高生の速水莉莉は、学校の皆と肝試しを行った際に消えてしまった弟を捜す中で、無愛想だが優しい兄の晴と、晴に憑りつく気さくな弟の嵐と出会う。彼らは妖を癒して鎮めるお医者さんで、弟の失踪には妖が絡んでいると莉莉に告げてきて……。莉莉の隠された不思議な力や、弟が隠していたとある真実を通して、妖のお医者さんになる道を選んだ莉莉の想いが温かかったです。晴に弟子入りして、彼のためにご飯を作ったりして世話を焼く莉莉や、猫のモフモフ感を堪能しようとするがスルリと逃げられてしまい、残念そうな表情になった晴が可愛かったです2017/04/03
佐島楓
52
椎名さんの御本は、「九十九さん家のあやかし事情」シリーズを読ませていただいただけですが、新シリーズである本作との共通点は「優しさ」だと思います。人やあやかしを見るまなざしがとても優しく柔らかい。この美点が作品全体を魅力ある安心できるものにしています。次作も読ませていただきます。2016/12/20
坂城 弥生
23
ほのぼのした柔らかい話だった。続きも読もう。2020/07/14
よっしー
18
タイトル、どこで切ったら良いのか分からない気がします(笑 あやかしが傷付くのは納得ですが、それを治療する者がいる事に新鮮さを感じました。あやかしと言えど、怖いものではなく、どこか人間味を感じて…憎めない印象です。双子も何気に癖が強いですが、いい人たちですね(笑 これから、どんな師弟関係を築いていくのか、続編が楽しみです。2019/01/21
しましまこ
16
またもや新シリーズが出て、前作の続きは読めんのかー?!と驚いてしまったよ。猫又の守護を持つ女子高生の主人公と、双子の兄弟で2人で1人なお師匠さん。好みの設定、続きが楽しみ。2016/12/23