出版社内容情報
あの夏の夢のつづきを、もう一度俺たちではじめるんだ――「オレの代わりにインハイに出場して欲しい」卒業アルバムに現れた夕のメッセージ。幽霊となった親友の願いを叶えるため、慎一郎はかつて夕とダブルスを組んでいた竜輝に声を掛けるが、彼はテニスを辞めていて――。
汐見舜一[シオミシュンイチ]
第三回富士見ラノベ文芸大賞にて審査員特別賞を受賞した、本作でデビュー。
小嶋 ララ子[コジマ ララコ]
内容説明
「オレの代わりにインターハイを目指してほしい」卒業アルバムに現れた、覚えのない寄せ書き。去年死んだ親友・西之園夕からのメッセージだと信じて疑わない東風は、かつて夕とダブルスを組んでいた夏目に声を掛ける。しかし彼はもうテニスをやめていて…。親友の願いを叶えたいと誘う東風を、夏目は冷たく突き放す。「西之園の思いを尊重したからこそ、やめたんだ。西之園は殺されたのさ。この僕にね」あの夏、それぞれが掴み損ねた夢。あの夏の夢のつづきを、もう一度はじめるんだ―。
著者等紹介
汐見舜一[シオミシュンイチ]
1990年生まれ。栃木県出身。第3回富士見ラノベ文芸大賞審査員特別賞を受賞。受賞作を改稿した『トリプルエース―君のいない夏に、なくしたものを探して』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
40
感情表現の面で共感できなかったのと、場面描写があっさりしすぎている。文章も硬い印象を受けた。2016/08/29
流之助
32
献本に当選した記念すべき1冊。今まで積んでいて申し訳なかった。青春の1ページを描いた爽やかなストーリー。亡くした親友、そして相棒、兄へのそれぞれの思いが瑞々しい。それぞれの挫折感や感情面でのしこりも、若さならではという感じ。ただ、少し惜しい点もあり。一つ一つの行動に対する動機づけの薄さ、やや無理のあるノートの仕掛けがそれだ。やや物足りなさを感じる。主人公以外の人物の掘り下げももう少しほしいところ。テニスの好きな10代向けの作品かな。2018/05/31
そのぼん
24
亡くなったはずの親友からのメッセージを寄せ書きの中から発見した男子高校生が主人公の物語でした。人が亡くなっているので設定としては重いですが、主人公がポジティブなせいかスラスラと読み進めることが出来ました。嫌いな雰囲気ではないですが、全体的に『繊細さ』がもう少しあれば、もっと感情移入が出来たかもしれません。2016/11/25
いこたす
15
友の遺志と克服の物語▶︎数ヶ月前に事故で亡くなった友人から卒アルの寄書きを通してメッセージが届く。曰く「ダブルスでインハイを目指してくれ」と▶︎進学した高校で名指しされたダブルスの相棒を見つけテニスに誘うが頑なに拒否されてしまう…その理由は?そして“あの事故”は本当に事故だったのか?▶︎死者が遺志を伝えてくれると言うのは残された者の願望なのだろうな(;_;)▶︎BDPりとさんありがとう!2016/10/15
凪織
13
友人の死の原因は自分?王道の青春小説。気になるキーワードがあちこちに散らされていて、読み進めるほど物語にのめりこむ。テニスは全くルールがわからないのだけど、そこも丁寧に解説されながら描写してあったのですんなり楽しめた。伏線がはられたままどんどん残りのページが減っていき、どうなるのかと思ったけれど綺麗にまとまっていた。ただ、頭がよいだとか、鳳凰院くんや朝ちゃんの性格など要素が多すぎて少しとっちらかってる印象が否めなかった。全体を通して爽やかな広く青い海のような作品。2016/07/29