出版社内容情報
「この絵には違和感がある」――浮世絵師の観察眼で、事件を射貫く明治26年――帝都で若い女性の惨殺死体が発見された。現場取材を終えた東都日報の新米探訪・青海が、腕利きの浮世絵師で幼馴染みの貴音に事件の話をすると、彼は「次の殺人もあるかもしれないな」と言い出して!?
和泉桂[イズミカツラ]
「清澗寺家シリーズ」(幻冬舎コミックス)や「キスシリーズ」(講談社)など、多くの人気シリーズ、著作を持つ作家。ドラマCD化した作品も多数ある。特に名門華族・清澗寺家一族の大正時代から戦後までのドラマを描いた「清澗寺家シリーズ」は熱心な読者が多く、完結を記念して完全予約限定のファンブックが発売されるほど。
さとい[サトイ]
内容説明
家業の摺師を継がず、東都日報の探訪として働く瑞垣青海。おっとりした性格と童顔も手伝い、「大学出の探訪」とからかわれながらも記者を目指し奮闘していた。そんな青海が事件が起こると駆け込む先は、同じ神田の下宿に住む幼馴染み・敷嶋貴音のもと。「で、どんな殺しだい?」「本当に残虐な話が好きだな…」「そういう絵を描くのが好きなのさ」清澗寺伯爵家のご落胤という出自と美しい容貌を持ちながら、『血みどろ貴音』の異名をとる凄腕絵師は、今日も青海の話から帝都に潜む事件を解いていく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
40
キャラクターは魅力的。ただ、もう少し明治の世という雰囲気を出していただきたかった。2016/07/19
つたもみじ
24
さっくり読了。東都日報の新米探訪・青海、行動が軽率すぎる感あり。『血みどろ貴音』の異名をもつ程に凄惨な死体を描くのが好きな浮世絵師で幼馴染みの貴音。後半に登場する帝大の学生・雪也。貴音は伯爵家のご落胤だったり、やたら美形が多かったり、貴音と遠い親戚だとかいう警察の神座との確執とか。キャラは立ってて面白く読みやすいけれどミステリとしては軽すぎるかも。特に腹裂きの方…そんなんで殺されちゃかないませんわなぁ。2017/01/30
coco夏ko10角
16
明治26年、探訪として働く青海と幼馴染で絵師の貴音が帝都での事件を。居酒屋の宗司の出番もっと欲しかったなぁ。2021/01/06
チビクロ太
10
明治時代の東京で新聞社の探訪をしている青海と浮世絵師の貴音が謎を解明する話。 新聞のネタを探す職業の探訪を今回初めて知った。 謎解きはこの時代だからなんとか成立する話かな?割りとあっさり読めます。2022/06/18
紅羽
6
日報の記者の青海と、彼の幼馴染みで絵師の貴音が明治の混沌に潜む怪奇な事件を解決するミステリ。二編収録。一つめは連続腹裂き事件。歴史好きならより楽しめるのではないでしょうか。二つ目は神隠しのような失踪事件。どこかで読んだ事のあるようなオチだなとは思いましたが、中々スパイスが効いていて面白かったです。全体的に雰囲気や世界観は好きなのですが、ちょっと続きを読みたいと思わせる「魅力」が足りないかも。2016/07/24