出版社内容情報
文明開化の銀座に、食べた人を幸せにする洋食屋ができました。
料理屋「津ざき」の見習い・柚子は、形見の店を取り戻すべく、そして亡き兄のような料理人になるべく日々奮闘中。しかし流行の西洋料理を作るよう言いつけられて……。洋食嫌いの柚子が考えた美味しい料理とは!?
【著者紹介】
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内容説明
御一新前から続く老舗料理屋「津ざき」。従兄に乗っ取られた亡き両親の店で、柚子は見習い料理人として働いていた。ある日両親の墓の前で、奇妙な男を助ける。周という名前以外記憶がない男をしぶしぶ連れて帰ると、店には従兄が訪れていた。彼は流行の西洋料理を扱うと言いだし、古株の親方と対立。嫌がらせのように西洋料理嫌いの柚子に料理を作るよう命じられた。「人を幸せにする料理が『津ざき』の心なんだろう。それを作ればいい」周のひと言で柚子がひらめいた料理とは―?明治洋食浪漫譚!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
45
面白かったです。明治時代、実際に料理人はこうやって試行錯誤しながらメニューを開発していたのだろうなぁ。そう思ってしまうくらい、調理のシーンが活き活きとしている。不穏な空気と周の正体も気になるところ。続編が楽しみ。2016/06/12
メルル
32
明るく元気で頑張り屋の柚子。でもとっても苦労人。そんな柚子は見習い料理人。そして謎の男性、周。洋食は明治から今の時代にしっかりと根付いていてずっと繋がっている。そして今でも食の世界はどんどん広がっている。柚子のキャラがとにかく可愛らしい。そして料理ももちろん美味しそう。ポテトサラダに沢庵というのはきっと素敵な組合せだと思う。続編があれば読みたい。2016/04/15
よっち
30
御一新前から続く老舗料理屋「津ざき」。従兄に乗っ取られた亡き両親の店で見習い料理人として働いていた柚子が、両親の墓前で記憶喪失の男・周を助ける物語。明治の時代に元両親の店で見習い料理人として働く柚子の難しい境遇、名前以外記憶がないまま津ざきで働くことになった周の意外な特技、因縁の従兄や古株の親方との対立。辛い立場の柚子と色々言いながら彼女を支えるワケありの周でしたけど、真摯に料理に取り組む彼女を支える人たちもいて、頑張りながら報われていなかった彼女に転機があって良かったなと思えました。続編に期待ですね。 2016/06/08
りょうじ
29
少し前の時代の女性料理人の話。情報の少ない西洋料理を試行錯誤して美味しく作る粘り強さを描いた物語で素敵でした。現代から過去に行ったみたいな匂いがする男性が居ますが読んでて思ったのは、現代から過去はあっても逆はなかなかないなーっと料理の技術も昔より進化しているんだと感じました。2016/10/12
ううち
21
明治時代もの。主人公・ユズの境遇が読んでいて辛かったけど、試行錯誤しながらお料理を作るシーンがたっぷり。『美味しい』と言われるとやっぱり嬉しくなりますね。平成男子と思われる周さんや、朔馬さまも素敵ですが、ツンデレ好きとしては八坂院さま(兄)が好み。いけすかないイトコも実は…?と、イケメン多し。続きが出そうなので楽しみです。2016/07/09